【カイロ=大内清】混乱が続くエジプトのスレイマン副大統領は11日テレビ演説を行い、同国を約30年にわたって統治してきたムバラク大統領が辞任したと発表した。AP通信など複数のメディアは、ムバラク大統領が首都のカイロを出て、東部シナイ半島の保養地、シャルムエルシェイクに滞在していると報じた。チュニジアで1月に起きた民衆蜂起による政変がエジプトにも飛び火、同月25日から各地でムバラク氏の退陣を求める大規模な反政府デモが続いていた。ムバラク氏は次の大統領選への不出馬を表明する一方、即時退陣は拒否していたが、内外の辞任圧力に抗しきれなかった格好だ。 移行体制は軍部やスレイマン副大統領を中心に協議が行われる見通し。地域大国エジプトの政権崩壊は他のアラブ諸国にも大きな影響を与えそうだ。 政府当局は1月28日以降、カイロなど主要都市に夜間外出禁止令を出し、インターネットなどを一時遮断してデモを押さえ込もう