「グローバルな視野を持った人材を日本の大学で育てられなければ、優秀な高校生は皆、海外のトップレベルの大学に行ってしまう」。下村博文・文部科学相の危機感は強い。 実際、有力高校の間では、海外の大学を目指す動きが高まっている。東京大学合格者数トップの開成高校は、今年から海外大学の説明会を実施。ホームページでの入試結果開示にも海外大学を含めるようにした。米イェール大学、米ミシガン大学などに9人が合格している。東大合格者数2位の灘高校も英オックスフォード大学、米ハーバード大学など五つの海外大学に合格者を出す。 だが、日本全体を見ると内向きになっている姿が浮かび上がる。海外で暮らす日本人が増えているにもかかわらず、海外への留学者数は減っている。中国やインド、韓国など新興国が国外留学生を大幅に増やしているのとは対照的だ。 国際評価低い日本 入試改革などを急ぐ トップレベルの高校生が海外大学を目指すのも