外国籍であることを理由に千葉市が生活保護申請を却下したのは違法だとして、同市に住むガーナ国籍のシアウ・ジョンソン・クワクさん(34)が生活保護法に基づく保護の開始を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は6日、外国人を生活保護の対象外とした一審千葉地裁判決を支持し、ジョンソンさんの控訴を棄却した。(加藤豊大)
都水道局が、料金滞納者への催告の仕方を変えたのは2022年度。それまで東京23区では、訪問による催告と徴収を民間に委託していたが、多摩地域と同様に郵送での催告に変更した。 担当者によると、これにより年間の委託費7億円が削減できたという。その一方で、水道の停止件数は21年度の10万5000件から、22年度は18万件に増加。23年度は24年1月までで14万件となった。担当者は「大半の方は停止するとすぐに支払ってくれる。費用対効果は大きい」と強調する。
同性婚を認めない民法や戸籍法の規定が憲法違反だとして、全国の同性カップルらが国を訴えた裁判で、3月14日の札幌高裁判決(斎藤清文裁判長)は「憲法24条1項に違反する」との初判断を示し、「同性間の婚姻も異性間と同じ程度に保障している」と踏み込んだ。憲法学者はこの判決をどう受け止めたのか。ポイントや意義を、憲法を専門とする慶応大法学部の駒村圭吾教授(63)に聞いた。(奥野斐) 同性婚訴訟 戸籍上、同性の2人の結婚を認めない民法や戸籍法は憲法違反だと訴えた裁判。原告には、戸籍上はともに女性だが、一人がトランスジェンダー男性で、男女として暮らすカップルもおり、原告らは「同性婚」ではなく、「婚姻の平等」を求める「結婚の自由をすべての人に」訴訟と呼んでいる。2019年に札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5地裁に提訴。21年に東京地裁に追加提訴。これまでの地高裁判決7件のうち「違憲」「違憲状態」は6件に上
卒業式や入学式での「日の丸・君が代」強制を20年以上続ける東京都教育委員会。今年も、過去に不起立を理由に処分を受けた教員の再任用を拒否した。国際機関は是正を求めてきたが、強制の根拠となる通達は撤回されていない。思想・良心の自由を掲げる教員らは、都教委からの圧力が変わっていない現状を訴える。(宮畑譲)
小学3年生以下の子どものみで外出・留守番させることを禁じる埼玉県虐待禁止条例改正案を県議会に提案した自民党県議団は10日、改正案の撤回を決めた。改正案には、県民からは大きな反発の声が出ていた。田村琢実団長はこの日、記者会見を開き、混乱を招いたとして謝罪。ただ、議案の内容に「瑕疵(かし)はなかった」と強調し、取り下げは「私の説明が不十分だったため」と繰り返した。(飯塚大輝)
政府のヒアリングは、内閣府の「国葬儀事務局」が主体となって実施。9月27日に行われた国葬の経費約12億4000万円について、支出の妥当性や法的根拠を検証している。 「こちら特報部」はまず、対象となるのはどの分野の有識者か聞いてみた。担当者は「憲法や行政法、政治、外交などの専門家20~30人を想定している」と説明。具体的に誰を選んだのか尋ねたが、「差し控える」とし、基準も明らかにしなかった。意見と論点を整理した上で公開し国会にも報告するというので、その時期を聞いたが、「現時点ではできるだけ早期にとしか言えない」。 非公開とした理由は「静かな環境で進めることが重要」と、松野博一官房長官と同様の説明に終始。既に終わった国葬について有識者の氏名や意見を公開すると、どんな不都合があるのか。重ねて質問したが、「会議で一度に意見を聴くわけではないので、個別の発言が報告前に外部に漏れることがないようにする
埼玉県所沢市の藤本正人市長(60)は30日、昨年8月に開かれた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体のイベントに出席し、あいさつをしたと明らかにした。「旧統一教会系の団体と知っていた」といい、自身の選挙での応援は「一切ない」とした。市の定例会見で質問に答えた。 イベントは旧統一教会の関連団体が主催した「ピースロード2021」。所沢市境に近い多摩湖畔で開かれたサイクリングの出発式で「平和を願って頑張ってください」との趣旨であいさつしたという。参加者は40人ほどで、その場には地元選出ではない自民党県議もいたという。 「イベントには信者の知人から誘われ、その後、招待された」といい、旧統一教会に対する認識は「昔は問題があったが、その後は(霊感商法などの)情報が出なくなったので改善していると思っていた。反省はそんなにしていません」と述べた。今後の関わりについては「私の性格上、もう行かないとは言
第2次岸田改造内閣で、過去にLGBTなど性的少数者への差別的な言動が問題となった杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国)が総務政務官に、簗(やな)和生衆院議員(栃木3区)が文部科学副大臣にそれぞれ起用され、批判を浴びている。内閣が目標に掲げる「個性と多様性を尊重する社会」との整合性から、首相の任命責任を問う声もある。
鉄道の駅改札を出てから便意を催した場合、改札内のトイレを無料で使わせてもらえるのか。JR東日本の駅で「改札内に再び入るなら入場券を買って」と駅員に求められた本紙読者の投稿「JRのトイレ対応に疑問」(7月13日東京新聞発言欄に掲載)に対し、「ひどい対応」「お金を払うのは当然」など賛否合わせて約30件の反響があった。そこで、JR東日本はじめ首都圏の鉄道各社の対応を調べてみた。(青木孝行) 投稿者は東京都青梅市のパート、今井恵子さん(68)。6月中旬、友人と映画を見るためJR昭島駅の改札前で待ち合わせ。最寄りの青梅駅から乗車し昭島駅に着いたが、集合時刻に間に合うか心配で慌てて改札の外に出た。すぐに「あっ! トイレ」と思い、駅員に再入場を願い出たが「改札内に入るなら入場券が必要」と断られ、目的地の映画館までトイレを我慢。以前、西武線の駅では借りられた体験があるので「JRはなぜダメなのか」と聞きたく
労災死亡者に占める60歳以上の高齢者の比率が4割を超えた。けがも含めた高齢者の「労災死傷」も昨年は3万7813人と過去最多を記録し、比率は25%になった。年金の支給年齢引き上げや企業への雇用延長の義務付けなど、「人生100年時代」のスローガンの下、高齢者の労働継続を促してきた政府だが、肝心の安全対策は後手に回っている。(編集委員・池尾伸一)
安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会で、サントリーホールディングスが2017〜19年、計400本近い酒類を無償で提供していたことが分かった。政治資金規正法は企業の政治家個人への寄付を禁じており、「違法な企業献金に当たる可能性がある」との指摘が出ている。 本紙に開示された配川(はいかわ)博之元公設第一秘書=同法違反罪で略式命令=の刑事確定記録で、会場のホテル側が作成した資料に「持ち込み」として酒類の記載があり、同社の電話番号も書かれていた。同社広報担当者は無償提供を認めた上で「安倍議員事務所から多くの方が集まると聞き、製品を知ってもらう機会と考え、夕食会に協賛した」と説明。17〜19年だけでなく16年を加えた4年間に毎年約15万円分を提供したという。 夕食会は毎年参加者から1人5000円を徴収し、不足分を安倍氏側が補填(てん)していた。酒を持ち込んだ理由について、東
匿名Twitterアカウント「Dappi」による虚偽のツイートで名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉両参院議員が東京都内のIT関連企業に対して880万円の損害賠償などを求めた民事訴訟の第4回口頭弁論が27日、東京地裁であった。原告側は、被告企業の組織的投稿であるとして、会社の詳細な情報を示すよう要求していたが、「従業員の私的投稿」と主張する被告側は回答を拒んだ。 原告側は、会社の業務内容、勤務時間、社内の座席の位置などの開示を求めていたが、被告側がこの日提出した書面では大半が「回答を差し控える」との内容だった。 原告側は「開示しても個人の特定にはつながらない。もう少し情報を出してほしい」と要求。これに対し被告側は「投稿者は社内でも一部の人しか認識しておらず、他の従業員に分かると、そこから漏洩する。回答を差し控える」と反論した。投稿者名の開示も拒んでいる。
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