前回の記事では、電子コミック市場の現状について「先は長いもののかなり前進した」と書いた。「先が長い」というのはほかでもない。まだまだ乗り越えるべき障碍がいくつも残っているからだ。今回はその中のひとつである読書端末について考えてみたい。 電子コミックはなにで読む 当たり前の話だが、電子コミックを読むためには読書用の端末とビュワーが必要だ。ダウンロードするためにはネットにも接続しなくてはならない。 紙のマンガなら、本さえ手に入れたらすぐ読めるのに、電子コミックを単体で読むことは今のところ不可能だ。電子か紙かの議論になったとき、紙派の人たちが必ず持ち出してくるのがこの点である。紙なら単体で読めるのに、どうしてわざわざ端末やビュワーを使って読むのか。たしかに一理ある。電子コミック派が「アナログレコードがCDにとって替わられたように、フィルムがデジタルカメラにとって替わられたように、本もデジタル化し