接種へ科学的議論を 副反応(副作用)と見られる重篤な神経症状が起きたとして、子宮頸(けい)がん予防のためのHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの定期接種の積極的勧奨が中止となり、今月で丸4年となった。この間、接種の利益に関する情報が途絶える一方、そのリスクを訴える情報がネット中心に広がっている。今やワクチンに疑問を持つ人の方が多いようだ。だが現実にはワクチンの有効性と安全性を示す知見が蓄積されている。次世代の健康を守るため、接種に向けた議論を科学的に進める段階にきていると考える。 今月11日、産経新聞朝刊1面に「子宮頸がん高まるリスク ワクチン勧奨中止から4年」との記事が掲載された。記事はニュースサイトに転載されたが、そのコメント欄に目をみはった。匿名で書き込まれた意見には「定期的に検診を受ければ大丈夫。ワクチンは必要ない」といった内容が目立ったからだ。
![記者の目:子宮頸がんワクチン勧奨中止4年=高野聡(医療福祉部) | 毎日新聞](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ada480aaca81a4e84903ee2bf2f4c56c2cabc82a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.mainichi.jp%2Fvol1%2F2017%2F06%2F26%2F20170626dd0phj000161000p%2F9.jpg%3F1)