ライオンやトラといった大型のネコ科動物の陰に隠れて、あまり注目されない小型の野生ネコたち。その多くの種が、絶滅の危機にさらされている。 文=クリスティン・デラモア/写真=ジョエル・サートレイ ヤマネコやマヌルネコ、スナドリネコといった小型の野生ネコは、驚異的な適応力を発揮して、砂漠や雨林、都市の公園など、さまざまな環境で生きている。だが残念ながら、これらの小型種はライオンやトラ、ヒョウといった大型のネコ科動物の陰に隠れてきたといえる。有名な大型種には注目も保護資金も集まりやすいが、実際のところ、絶滅が最も心配されているネコ科の18種のうち、12種が小型種だ。 研究も保護も大型ネコが優先 米国テキサス州を拠点とする動物保護団体「グローバル・ワイルドライフ・コンサベーション」の、小型ネコ科動物の専門家ジム・サンダーソンの推計では、2009年以降に野生ネコのために使われた資金の99%以上が、ジャ