農林水産省の栃木農政事務所で2005年、事務所長ら幹部が、職員組合の全農林労働組合の要求を受け、不祥事で処分された職員30人が査定などによって減る賞与の一部約50万円を、自腹で穴埋めしていたことがわかった。 同省では現在、「処分を無にする不適切な行為」として調査に乗り出しているが、職員142人のヤミ専従疑惑を把握しながら、再調査を事前に全農林に通告していた問題に続き、またしても同省と全農林との不適切な関係が浮き彫りになった。 農水省では05年10月、銘柄米として認められていないコメに検査証明を出したなどとして8道府県の農産物検査官ら47人を処分。このうち栃木農政事務所では全国最多の33人が厳重注意処分を受けた。 同事務所の所長ら幹部に対し、全農林幹部から「申し入れ」があったのは、この直後。処分は査定に影響し、ボーナスなどが減ることになるため、「(減った分の対応を)善処してもらいたい」という