『犯罪王カームジン』がとても面白かったので他の本も読もうと思ったら、『壜の中の手記』と『廃墟の歌声』しかなく、今は『廃墟』を読んでいるのですが、これを読んでしまったら残りがもうないという寂しさの中でブログを書いています。 『カームジン』は自称犯罪王のカームジンが過去の犯罪を自慢するというストーリーで、明るく軽快な短編集ですが、『壜』は、というのか、『カームジン』以外は、というのか、悪い夢の中をさまよっているような雰囲気で、オールバッドエンドです。 そういう小説は苦手でしょう、と言われればその通りで、読み進めていて不穏な展開になるとすぐさま読了する私ですが、カーシュの作品はグロテスクなのに美しくて、読み終えた後に不思議と静かな気持になります。 負の感情への耐性がほとんどない私であっても、そこに美しさを感じれば平気ってことなのでしょうが、しかし何を「美しい」と感じているんだろうな、と改めて思い