携帯電話事業者大手3社の平成21年3月期決算が30日、出そろった。NTTドコモが3期連続の営業増益となったほか、KDDI、ソフトバンクとも最高益を更新した。世界同時不況で製造業などが軒並み不振にあえぐなか、景気動向に左右されにくい通信業界の強みを発揮した形だ。 NTTドコモは携帯電話端末の販売減で減収となったものの、代理店に支払う手数料の減少などを受け、営業増益を確保。KDDI、ソフトバンクともに端末販売台数の減少が営業利益を押し上げた。 端末の販売台数は、長期間契約を前提に通話料金が割安になる料金制度導入などを背景に、ドコモが前期比21・8%減の2013万台、KDDIが32%減の1081万台、ソフトバンクが14・8%減の842万台と軒並み落ち込んだ。 ソフトバンクは、18年に英ボーダフォン日本法人を買収した際、同社の債務を繰り上げ償還するために購入した金融商品が焦げ付き750億円の特別損