1995年初出のこのレポートは、廣重徹の史観をもとにして、戦後の科学技術政策を4つの時期に分ける。 1.占領政策の影響(1945-1952) ・・・ 占領政策の初期にはニューディーラーが教育・科学を担当する部署に多くいたので、アメリカ型の科学技術政策や組織を作ることを求められた。官庁の抵抗や戦前の科学界の大御所などの反対などで、必ずしも実現したわけではない。大きなトピックは日本学術会議の発足と、品質管理の手法が企業に浸透したこと。後者のQC活動は1950年代初めに始まり、1960年代以降に高品質な製品を作ることにつながる。民主科学者協会が設立され、大学の教室の民主化が行われることがあった。とはいえ科学の方法や組織には、エリート主義があり、発見や発明は民主主義と相容れない場合がある(強力なリーダシップ、上意下達のプロジェクト運営など)。 2.高度成長の軌跡(1956-1960年代) ・・・
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