・会期:2012年3月21日~5月31日 ・会場:東京理科大学 近代科学資料館 ・評者:伊藤 由紀 「日食を通した科学普及活動」を目指した特別展示。会場は東京物理学校の木造校舎を復元した建物です。 「日食のしくみとその希少性」「古文書に見る日食」「日食計算のあゆみ」などの小テーマが設定されていますが、最も充実していたのは、東京理科大学天文研究部による日食観測の歴史に触れた「いろいろな日食」「日食の魅力を伝える」の両パートでしょう。 「日食の魅力を伝える」は、理科大天文研究部がこれまで各地で撮影した日食写真のパネル展示です。1960年代のものがあくまで太陽の形と軌跡の記録なのに対し、1983年のジャワ島・ニューギニアでの一連の写真は、「遥か遠き空」「太陽のかくれんぼ」などの空想的なタイトルがつけられていたり、現地の風景を写しこんでいたりと、ちょっと趣が異なります。別のパートに出品されていた雑