知られざる写真家・平敷兼七(へしきけんしち)が残した、膨大な数の沖縄の写真。 その中心に居たのは常に「人」でした。 今回は平敷兼七ゆかりの沖縄の場所を訪ね、平敷さんをよく知る親しい人々と語らいます。 平敷兼七ギャラリー(沖縄県浦添市)で開催中の「平敷兼七 二人展シリーズ vol.2 沖縄人人 平敷兼七×石川竜一」より平敷兼七の写真の展示。 山羊料理店 まず、向かったのは夜の街。那覇市モノレール安里駅から程近い「栄町」。この辺りは料理店や居酒屋が多く立ち並ぶ界わいです。 とにかくお酒を飲むのが好きだった平敷さん。何かあれば栄町の行きつけの居酒屋で古酒(くーす)を飲み、その後その近所にある山羊(やぎ)料理店に立ち寄るというのがお決まりのコースだったそうです。 こちらで待ち合わせたのは、平敷さんに撮影の仕事を依頼することもたびたびあった、元印刷会社勤務の吉見万喜子さん。平敷さんに師事して写真を学