日直のボウシータです。前回は田辺聖子『欲しがりません勝つまでは』(1977)に出てきた愛国美少女〈竹本サン〉をご紹介しました。今回はその「竹本サン的」な人たちについて書いてみたい。 竹本サンは従兄が出征したのを機に、「自分たちも国文学の勉強などしているばあいではない、いますぐ軍需工場に行って働き、お国のために働くべきだ」と血気に逸った主張をするのですが、クラスメイトたちにはイマイチ受け入れられず、友成先生には、じゃあなんで国文科になんかに入ってきたの? ただの注意力散漫なんじゃないの?ともっともなツッコミをされてしまう。ついに竹本サンは、〈あたしのいってること、ほんとに憂国の至情からいってるんです〉と言い捨てて半泣きで教室から出て行ってしまったのでした。先生は、 〈憂国の至情というより、私情の方ではないかね〉 と、うまいことを言います。竹本サンは熱弁事件のあとすぐに学校をやめてしまい、作中
![78. 大義でモノを言う人は、私情を公憤だと信じこんでしまう。:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)