電力会社が最もおそれ、決して起きてはならないとしていた全域での停電「ブラックアウト」。そのブラックアウトが北海道で現実のものとなった。地震で直接、被害を受けた発電所は1か所。それがなぜ、北海道全域での停電を引き起こしたのか。住民生活や物流などにも深刻な影響を与えた大規模停電。地震から1週間、取材でいくつもの課題が浮き彫りになってきた。(科学文化部記者 重田八輝) 「北海道で大地震が起きた」 自宅で寝ていたところ、一報を受けた。すぐに泊村にある泊原子力発電所の取材を進めると「午前3時25分に外部電源を喪失した。非常用の発電機で対応している」という。泊原発周辺の揺れは震度2。それなのになぜ、外部電源を失ったのか、まず、疑問が浮かんだ。 泊原発は、東日本大震災の翌年、平成24年5月までにすべて運転を停止しているが、貯蔵プールには1527体もの核燃料が入っている。安定して冷却が続けられるか、動向を