「私に残された時間はあまり多く無いかもしれません。論文化に向けてご協力いただけないでしょうか」 8年前、54歳でこの世を去った火山研究者が残したことばです。富士山で大噴火が起きると火山灰がどのように降るか。3月に公表された国のシミュレーションを取材している際、私はこの研究者の存在を知りました。「彼の研究がなければ、今回のシミュレーションは実現しなかった」仲間たちが“まさに執念だった”と振り返る研究。死が近づく中で彼を研究に駆り立てたものとは何だったのでしょうか。関係者の証言から迫ります。 (社会部記者 藤島新也) 富士山で大規模噴火が起きた際の火山灰の広がりについて、国はシミュレーションを公表しました。それはこれまでのシミュレーションとは異なるものでした。 従来示されていたものは、噴火活動がすべて終わった時点での「最終的」な火山灰の分布や厚さ。今回は火山灰が降る「時間経過」がわかります。
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