日本百名山の一つで、東京都と山梨、埼玉両県にまたがる雲取山(二、〇一七メートル)のメインの登山ルート上で、東京都奥多摩町が運営していた山小屋「奥多摩小屋」が三月末で閉鎖された。閉鎖に伴い管理人がいなくなったため、小屋のトイレや近くにあった人気のテント場も利用できなくなった。町は使わないよう呼び掛けているが、登山愛好家からは「ごみやトイレの問題が発生しかねない」と周辺の環境悪化を懸念する声が上がっている。 (服部展和) 奥多摩小屋は町が六十年前の一九五九年、東京国体の山岳競技開催に合わせて建てた。木造平屋で、都と山梨県境の尾根を通るメインルート上の標高約千八百メートルにある。 メインルート上には、ほかに宿泊できる施設が二カ所あり、テント場もあるが、収容人数は限られる。奥多摩小屋近くのテント場は最も広く、水も湧き、富士山を望める眺望も人気だった。雲取山の標高と同じ西暦の二〇一七年度には四千人超
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