経営不安にさらされていた「クレディ・スイス」の買収に伴い、3月19日にスイスの金融当局が発表した内容に世界の金融関係者が衝撃を受けています。それは、「AT1債」と呼ばれる特殊な社債、実に2兆円以上が一瞬にして無価値になるという異例の対応でした。巨額の社債がなぜ無価値とされたのか。日本にはどのような影響があるのか、取材しました。(経済部記者 真方健太朗) 世界に衝撃 「AT1債」が無価値に 「クレディ・スイス」は、スイスの金融当局の関与のもと、同じスイスの金融最大手「UBS」による買収という形で救済されることが決まりましたが、これに伴って、FINMA=スイス金融市場監督機構は次のような声明を発表しました。 「スイス政府の特別支援により、160億スイスフラン(日本円で2兆2000億円)に上るクレディ・スイスの『AT1債』のすべての価値が完全に償却され、これによって中核的資本が増加することになる
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