イタリアのメディアなどによりますと、汚職や脱税など数多くの不正疑惑で何度も捜査の対象になりながら、合わせて9年余りにわたってイタリアの首相を務めたベルルスコーニ氏が12日、入院先の病院で亡くなりました。86歳でした。 イタリア北部のミラノで生まれたシルビオ・ベルルスコーニ氏は実業家として成功し、主要なテレビ局を次々に傘下におさめて「メディア王」と呼ばれたほか、サッカーのイタリア1部リーグの名門ACミランを買収してオーナーを長く務めました。 その後、政界に進出し中道右派勢力を結集させて議会選挙に勝利し、1994年に初めて首相に就任しましたが、実業家時代の不正疑惑が浮上して8か月で政権は倒れました。 その後も汚職などのスキャンダルが後を絶ちませんでしたが、豊富な資金力とメディアを使った巧みな選挙戦略によって、合わせて9年余り首相を務め、在任期間は第2次世界大戦後のイタリアで最も長くなりました。