図1 西南日本のテクトニック図アムールプレートに対し、フィリピン海プレートが北西方向に沈み込んでいる。本研究での対象地域は、豊後水道、東海地方、房総沖の3つ。 日本列島は、海洋プレートと大陸プレートの相互作用による地殻変動が活発な地域です。特に、豊後水道や東海地方、房総沖などの地域下にあるプレート境界では、スロースリップイベント(SSE※1)と呼ばれる、継続時間の長い非地震性のプレート間すべりが数年間隔で発生しています。神戸大学 大学院理学研究科惑星学専攻 博士課程前期課程1年の河端浩希氏と神戸大学 都市安全研究センターの吉岡祥一教授は、国土地理院が提供しているGNSS時系列データ※2を用いて、豊後水道や東海地方、房総沖で発生したSSEを解析し、その発生前後の歪の蓄積と解放の関連性を調査しました。 その結果、いずれの地域においても、SSEの発生前に蓄積していた歪の全てが解放されるわけではな