「絶対に○○してはいけない」というニュアンスの言い方には、言外に反対の意味が含まれることも多い。「絶対に笑ってはいけない」「絶対に電車の中で読んではいけない」といった枕詞の後には、大抵笑いが待ち受けているものだ。いわゆるフリという奴である。 しかし本書の「住みたくない」は、どうも本気と書いてマジと読ませるタイプのようである。吉祥寺、自由が丘、下北沢は「甘すぎて無理ゾーン」。豊洲、武蔵小杉、新浦安は「似非セレブすぎて無理ゾーン」。二子玉川、清澄白河は「意識高すぎて無理ゾーン」というから、もはや本書の著者は一体どこに住んでいるのだろうかと問い質したくもなる。 著者は、触れられたくない街の「不都合な部分」にあえて首を突っ込んでいくことで定評のある「東京DEEP案内」というサイトの管理人。元々は大阪を中心に西成や生野区といったDEEPなスポットばかりを紹介する「大阪DEEP案内」を運営しており、2