館長通信 No.82 本と遊ぶために(3)音読から黙読へ2024/05/15 本はいろいろな姿をとります。単行本、文庫本、雑誌、マンガ。でも、読むときはだまって読みます。最初からそうしていたのでしょうか。そうではありません。書物の歴史には、いくつかの画期的な転機がありました。今回はその話をしたいと思います。 文字がなかった時代、村落に暮らす人々はもっぱらオラル・コミュニケーションを愉しんでいました。話し言葉がすべてだったのです。みんな声を出していたのです。その中に特別な話をする人物が登場してきます。語り部です。語り部は記憶力がよくて、
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