心筋炎(しんきんえん、英: myocarditis)は、感染症、中毒あるいは原因不明の心筋の炎症性変化。無症状のものから発熱、頻脈、呼吸困難などの臨床症状を示すものまである。特に急性心筋炎 (acute myocarditis) は、特異的所見に乏しい上に急性の転帰をたどることから、臨床上重要である。大動脈解離やクモ膜下出血、急性喉頭蓋炎などとともに診断に苦慮する疾患のひとつとされている。 ヒト 細菌、ウイルス、クラミジア、マイコプラズマ、真菌、寄生虫などの感染によって発症する例が多く、なかでもピコルナウイルス科のコクサッキーB群ウイルスが心筋炎の原因になりやすいと言われている。ヒト免疫不全ウイルス (HIV) 感染症やC型肝炎ウイルスの感染も心筋炎発症の原因となる。また、サルコイドーシス、膠原病、川崎病といった疾患や、ワクチンを含む薬物、放射線、熱射病なども原因となる場合がある[1]。