「国民の相互扶助の精神をかん養するための寄付の促進及び規制等に関する法律」、通称「投げ銭法」。 この制度が導入された経緯は、単純ではない。 プライマリーバランスの悪化、生活保護受給者に対するバッシング・自己責任論の台頭、新たな天下り先を確保したい財務官僚の思惑、利権の匂いをかぎつけた政商の働きかけ、歴史に名を残したい政治家のスタンドプレー、「普通の」国民による与党への盲目的な支持、そして何より、圧倒的多数の国民が政治に無関心だったこと。 様々な要因が絡み合い、比較法的にも特異なこの制度は誕生した。 当初、努力義務だった規定は、罰則付きの義務となり、寄付すべき収入の割合は、いつのまにか増加していった。 制度の根幹は、いたってシンプルである。 「全て国民は、収入の一定割合を他人に寄付しなければならない。」 投げ銭制度の影響を大きく受けたのは、芸能人だった。 知名度と人気が金になるこの制度。 テ