「マック・ジーザス」問題 「美術館は、宗教的もしくは政治的圧力に屈することはない」 「私たちは、発言の自由、芸術の自由、文化の自由を擁護し続ける。そしてそれらを壊すつもりもない」 あいちトリエンナーレの芸術監督、津田大介氏の言葉ではない。 今年1月、イスラエル北部にあるハイファ美術館のニッシム・タル館長が、当時同美術館で開催されていた消費品の聖化に捧げる展覧会「Sacred Goods(聖品)」の一環として設置された展示物に対しての抗議活動が起こった際に発したものである。 仏紙「ラ・フィガロ」によれば、問題の発端は「マック・ジーザス」と題された十字架に張り付けられたドナルド・マクドナルドの彫像だ。 他にも血まみれのイエス・キリストと聖母マリアを模したバービー人形などがあり、これらが「芸術的抗議行動としての提示が宗教の神聖なシンボルを軽視している」としてアラブ人キリスト教徒による抗議運動を引