手作り弁当を持参する会社員らに根強い人気の「曲げわっぱ弁当箱」。素材が軽いうえ、おかずを入れた時の見栄えの良さから写真共有サイト「インスタグラム」に「わっぱ弁当」などの言葉と共に投稿が相次いでいる。徳島県神山町神領の写真家、近藤奈央さん(36)は地元の神山杉を使って曲げわっぱを製作し、来春の販売に向け準備を進めている。合成接着剤を使わず、蓋(ふた)を開けるとほのかに神山杉の香りがするこだわりの商品は、愛好家から注目を集めそうだ。【松山文音】 曲げわっぱは、杉の吸湿性で時間がたっても米がおいしく、殺菌効果で食べ物も傷みにくい。近藤さんの商品は直径14センチ、高さ5センチの円形。合成接着剤を使う商品が多い中、固定には竹くぎを使い、ヤマザクラの皮で縫って一つ一つ手作りで製作している。「いつか要らなくなる時も、全て燃える自然素材だから土に返ることができる」とほほ笑む。