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  • ブログ小説【僕が捨てた物語】

    「じゃあ、行くね」 彼女の表情にもう迷いはなかった。その目は前だけを見つめていた。 頑張って。応援してる。 僕は彼女にそう言ったが、 (引きとめたい…) この期に及んでも、まだそう思ってしまっていた。 しかし、これまで何度も考えて、これがベストだという答えを出したのだ。 「ありがとう…私…幸せだったよ」 彼女の言葉が決心したはずの気持ちをグラグラと揺らす。 僕も。 そう声を出すのが精いっぱいだった。 涙が出そうになったが、何とかこらえる。彼女の門出に涙はダメだ。 にっこり笑って彼女は出ていった。彼女の姿が見えなくなった後も、彼女の笑顔は僕の心に焼きついたままだった… 彼女と付き合い始めたのは、1年前だ。 僕は趣味小説を書いており、書いた作品などを小説投稿サイトに載せているのだが、投稿した小説をたまたま彼女が見てくれたのがきっかけだった。 彼女はサイト内で僕の作品に対する感想をよくくれたの

    ブログ小説【僕が捨てた物語】
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/10/18
    dendeさんいつもありがとうございます!! もっとうまく書けるようになりたいのですが、まだまだです(^_^;)
  • post-4304

    昨年の9月から書き始めたこの小説ですが、やっと完結しました! 約1年かかりました…長かった^^; 素人が書いた小説を読んでくださり、当にありがとうございました!! 最終話【デリート開始】「ねぇ、私のどこが好き?」 「そうだなぁ。可愛いところ、優しいところ、ようこちゃんは素敵なところが多すぎて、今ここで全部言えないよ。今度、紙に書き出すね」 「ほんとにー!じゃあ早くー!早く書いてー!」 「よし、じゃあ今からウチに帰って書こうか!」 「書こう書こう、早く帰ろー!」 昼を終えたひと組の男女が、慌ただしく出ていった。 「まだいるのか?今みたいなバカップルが?」 平日の昼、サラリーマンでごった返す会社近くの定屋で、昼を取りながらそのやり取りを見ていた新藤が後輩のゆきへ言った。 「新藤さん、ああいうの嫌いですか?わたし、嫌いじゃないかも。自分じゃとてもできないんで」 ゆきは会社で営業事務を担当

    post-4304
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/08/22
    dendeさん、最初から最後まで読んで下さりありがとうございます(T . T) また有難いお言葉をいただき嬉しいです。 次回作も頑張って書こうと思います!! dendeさんの記事も楽しみにしてますね^ ^
  • ブログ小説【デリートマン】㉜

    最後のデリートマン③田坂さま、このデリート依頼で田坂さまの思い出がなくなりました。田坂さまのおかげで、様々なデータが取れました。当にありがとうございました。 最後の思い出と引き換えに、おれは人を消す手続きを終えた。明日の午前0時。最後のデリートが完了する。 対象は自らの親を殺害した息子だった。特に「この人」と決めて消した訳ではない。たまたまニュースで見ただけだ。最後にやることは決めている。だから、特にこだわりはなかった。 これで、おれはデリートサイトの会員を退会かな? そうなります。我々はこの先研究を続けていきますが、やはり、第一号のデリートマンである田坂さまは特別です。我々は決して田坂さまを忘れることはないでしょう。 (こっちは、もう全部忘れたよ) もう、何も覚えていない。例えば、その人は覚えていても、その人との思い出はない。人を消したことしか、もう覚えていなかった。 次のデリートマン

    ブログ小説【デリートマン】㉜
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/08/08
    dendeさんありがとうございます! ラスト1話頑張ろうと思います!!
  • ブログ小説【デリートマン】㉚

    最後のデリートマン①「田坂、今日予定あるか?大丈夫ならちょっといこうか?」 週末、金曜日の仕事終わり、新藤がクイっとグラスを傾けるそぶりを見せながら声をかけてきた。 「はい。特にはないので、いきましょうか」 「僕もいきます!」 隣で小島がそう言った。 『デリートサイトで人を消す』 そう決意してから三ヶ月が経っていた。 この三ヶ月、大量にいろいろな人間を消した。政治家、弁護士、犯罪者、医者など。消していったのは、ニュースなどで取り上げられた、いわゆる『悪徳』とイメージのついた人間だ。 その一方で、必要なのでは?と思う人間も消していった。ノーベル賞を受賞した科学者、芥川賞を受賞した作家、金メダルを取ったオリンピック選手。弱小プロ野球チームを優勝に導いた監督まで。世の中に大きく貢献し、これからもするであろうと思う人物も消してきた。 結果は、どちらの類の人間を消しても、結果は良くなることもあれば、

    ブログ小説【デリートマン】㉚
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/08/07
    dendeさん、読んでくださりありがとうございます!! やっと完結できそうです(^_^;)
  • ブログ小説【デリートマン】㉙

    デリートマンの決断⑥おい!何が正解だ?おれはどうすればよかった? すぐにメッセージを送る。 おい!教えてくれよ! さっき発した言葉をそのまま打ち込んでいた。 田坂さま、とりあえず落ち着いてください。 落ち着けるかよ!おれがやったことで、人殺しを増やした…、そして、被害者も増やしたんだよ、おれが、何もしなければ… 田坂さま、それは結果論であり、田坂さまのせいではありません おれのせいだ!おれのせいじゃなければ誰のせいなんだよ! 教えてくれ。どうすればよかった?誰を消せばよかった?あんたは正解を知ってるだろ! キーボードが壊れるんじゃないかというくらいの強さで、キーを叩いていた。 それは、わかりません。 わからない?あんたにも正解がわからないのか? はい。わかりません。今はまだね。なぜなら田坂さま、今はその正解をみつけるために、データを集めているところですから。 どういうことだ? 話が見えてこ

    ブログ小説【デリートマン】㉙
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/07/22
    dendeさん、いつも読んでくださりありがとうございます!! 最近ちょっとブログから離れてましたが、またdendeさんのブログも読ませていただきますね^ ^
  • post-4238

    デリートマンの決断⑤事件から数日経った。 ニュースでは連日、ここ数日で明らかになった事件の詳細を伝えていた。 そして、加害者少年の供述は恐川のときと同じだった。 「殴ったり蹴ったりしたが、罰ゲーム」 「ふざけてやったいつもの遊び」 こういう言葉を聞くたびに消してやろうと思う。 しかし、おれはまだ行動できずにいた。つまり、まだ犯人達を消せずにいた。 なぜか…、それは、恐川を消しても少年が死ぬ運命を変えれなかったからだ。 これまで、何人かを消してきた。そして、その人がいない世界は、おおよそ自分の考えた世界になっていた。 当然今回も、主犯である恐川を消せば被害者少年は助かると信じていた。しかし、変えたかった現実は変わらなかった。 (今回の犯人を消して、被害者少年は助かるのか…あの子を助けられるのか…) 確信が持てなかった。その確信が持てない以上、躊躇ってしまう。 もちろん、犯人どもはクズだと思う

    post-4238
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/06/28
    dendeさんありがとうございます!! これから終わりに向かっていきます。次に消すのは…まだ内緒です笑
  • ブログ小説【神様の条件】

    「やったぞ!昇級だ!」 「私もー!」 「おめでとうございます!蒼竜そうりゅうさん!天乃あまのさん!」 年に1度の神昇級試験結果発表の日。神界では毎年この日、合格した者の歓声であふれる。 「神太かんた、おまえはどうだった?」 「蒼竜さん、僕は今年もダメでした。だって僕、神ポイント0ですもん」 「あのさ、神太。あんた昇級する気あるの?もう100年くらい今のクラスでしょ?」 「天乃さん、また来年頑張ります」 「あんたねぇ…」 会話をしているのは、神太。蒼竜。天乃。 蒼竜と天乃は神界恵比寿えびすエリアで出世コースをひた走る優秀な神様で、蒼竜は男神。天乃は女神だ。 そしてその二人を慕う神が神太。二人の後輩にあたる男神だ。 「神太…あのな…」 蒼竜が言いかけたとき、会場全体に声が響いた。 「みな、1年間よく頑張ってくれた」 声の主は恵比寿えびす。この恵比寿エリアのトップに君臨する神である。 「この1年

    ブログ小説【神様の条件】
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/06/18
    dendeさん、読んでくださり、また嬉しいコメントをくださりありがとうございます(T . T) 僕も神太みたいな神さまばかりならいいなと書きながら思いました^ ^
  • ブログ小説【デリートマン】㉗

    デリートマンの決断④ログインしている状態になっていたので、メッセージを送った。 消したい人間がおる。 すぐに返信が返ってきた。 お久しぶりです。田坂さま。ええ。そうではないかと思い、久しぶりにデリートサイトを立ち上げました。 こいつらは常におれのデータを取っている。おれの考えていることなど筒抜けなのだ。 なあ、消す前に、ちょっといい? 自分の変化について、確認しようと思った。 はい。なんでしょう? まあ、もう知ってると思うけど、彼女に「別人」って言われた。 前も聞いたけど、あんたから見て、おれは変わったかな? それは正直、難しい質問なのですよ。田坂さま。 質問の内容が 「以前の田坂さまと様子が変わってきたか?」 ということでしたら、答えはYESです。以前の田坂さましか知らず久しぶりに会った人から見れば、人が変わったように見えるでしょう。こちらで収集しているデータにもはっきりと違いが出てきて

    ブログ小説【デリートマン】㉗
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/06/11
    dendeさん、コメントありがとうございます!ちょっと辛い展開を考えています。最後まで一気に書いてしまおうと思います!
  • ブログ小説【デリートマン】㉕

    デリートマンの決断②東京に戻ってきて2ヶ月が経ち、桜がちらほらと遠慮がちに花を咲かせ始めている。もう春になろうとしていた。 仕事の方は順調で、あの飲み会以来、自分がおかしいと感じることはなかった。もちろん戻ってきてから人は消していない。 そして、ここ最近はようこが毎日のようにウチに来ており、半同棲状態のようになっていた。これはおれが言い出したことで、もし、自分に変化があった場合、ようこがそばにいてくれたらその変化にいち早く気付いてくれると思ったからだ。 誰にも気づかれないまま、自分が自分でなくなっていくのが怖かったのかもしれない。 「ただいま」 仕事が終えて帰宅し、いつものように玄関でを脱ぎながらそう言った。 おかえりー!おそーい!! いつもなら、そう言いながらドタドタと玄関の方へようこが走ってくるのだが、今日は何の声も聞こえてこなかった。 (どこか出ているのかな?) そう思ったが、リビ

    ブログ小説【デリートマン】㉕
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/05/28
    dendeさんいつもありがとうございますます!これからまた消していってしまいます(^^;
  • ブログ小説【お風呂さん】

    「にいちゃーん、おれ、凄いこと発見したー」 湯船の中に潜っていた弟の勇輝ゆうきが、ザバっという音とともに顔を出し、得意げに言う。 「なに?凄いことって?」 シャワーで頭を流しながら兄の幸一こういちが尋ねる。 兄の幸一が小学5年生、弟の勇輝は二つ下の小学3年生。二人兄弟は仲が良く、お風呂に入るときはいつも一緒だった。 「あのね、洗面器を、こうさかさまにして湯船に浮かせて…」 勇輝が言葉通りに洗面器をさかさまにして湯船に溜まったお湯の水面に浮かべる。 「それから、そのまま沈めるんだよ。空気入るから洗面器が浮かんでこうとするんだけど、おさえつけて沈めるんだ」 勇輝がぐっと両手に力を入れて洗面器をさかさまの状態のまま押し下げると、洗面器はさかさまのまま完全に水中へ沈んだ。 「こうするとね、水の中なのに洗面器の中で息ができるんだよ!」 再び勇輝がザバっと湯船の中へ潜る。体は仰向けの状態になっているが

    ブログ小説【お風呂さん】
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/04/10
    dendeさんいつもありがとうございます! 実家に子供の頃やった遊びと妄想を混ぜてみました^ ^
  • ブログ小説【デリートマン】㉓

    デリートマンの友人⑭「中元さん、彩美さんお久しぶりです!彩美さん、相変わらずおキレイですねー」 おおはしゃぎのようこが彩美に言う。 「ありがとう。ようこちゃんもめっちゃ可愛いよ。ともなんかにもったいないわ」 年が明けて2月になっていた。大阪での仕事を無事に終えたので来週から東京へ戻ることになってたが、自分が東京へ戻る前に、中元、彩美とどうしても会っておきたかったので、今日、飲みに行くことにしていた。また、約束した覚えはないのだが、ようこがこの日の夕方からこちらに来ることになっていたので、ようこもこの会に参加していた。 おそらく、ようことの約束の記憶がないのは金城麻里を消した影響だ。金城麻里のいない過去では、ようこは今日こっちにくることになっていたのだろう。 「ようこちゃん、年末以来やから2か月振りくらいやな。もっと大阪来てくれたらええのに」 中元の会話から察するに金城麻里がいない過去でも、

    ブログ小説【デリートマン】㉓
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/04/05
    dendeさんありがとうございます!僕もまったく気にしてなかったのですが、小説書くなら大事みたいです(^-^;
  • ブログ小説【140字小説】①

    ツイッターで創作アカウントのみなさまが「140字小説」というのを書かれているのを見て、真似をしてみました。 「140字小説」とは、その名の通り140字でお話を解決させるのですが、これが凄く難しいです。 でも、文章書く練習になりそうなので書いていこうと思います。 まだ慣れてないので、小説というかエッセイっぽくなってしまってるものもありますが^^; 今回は、書いたものを3つほど紹介したいと思います。 お昼ごはん 「お仕事、何されてるんですか?」 昼時、相席になった男性に聞かれ評論家だらけの会社を思い出す。 「開発関連です」 「大変そうですね」 「まあ、いろいろと。何されてるんですか?」 「私は営業なんですが、まあ、いろいろと大変です」 お互いに笑う。 結局、どこも一緒なのかもしれない。 一緒に・・・ ただ、前へ走る。 「どこに向かってるの?」 「わからない」 「どうして走ってるの?」 「みん

    ブログ小説【140字小説】①
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/03/19
    dendeさん、ありがとうございます^ ^ おじさんの悲しそうな顔が忘れられないです笑 y0a6t5erさん、ほんとにそうですよね^^; 難しいです。。。
  • ブログ小説【デリートマン】㉒

    デリートマンの友人⑬「とも、今日はええハゲあるから刺身にしたるわ。この時期は肝がうまいからな」 『ハゲ』とは関西でカワハギのことである。1年通して美味しい魚であるが、冬のこの時期は特に肝が美味だ。 「ありがとう。ハゲの刺身久しぶりやなぁ」 金城麻里を消した翌日の夜。しげきちに来ていた。金城麻里が存在しなければ、しげさんも生きていてお店もそのままだと思っていた。実際にその通りだったが、実際にお店を見るまでは安心できなかった。 「しげさんの料理もうべられへんと思ってたから、嬉しいですわ」 亡くなったと聞いたとき、当にそう思ったのだ。自分でやったことだが、今、目の前にしげさんがいることを、おれはまだどこかで信じられないでいた。 「ちょっと東京行ったくらいでべられへんって大げさなやつやな。ワシまだまだ元気やし、まだまだ店頑張るでー!」 (よかったな。しげさん、おかえり) おれは心の中で呟いた

    ブログ小説【デリートマン】㉒
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/03/12
    dendeさんありがとうございます!今回は良い方向で終わろうと思ってます^ ^
  • Appleを語る詐欺メール(フィッシングメール)にご注意!!【詐欺メールの見分け方】

    今回は、趣味でもエッセイでも小説でもないですが、Appleを語る詐欺メール(フィッシングメール)がよくできていて危うくリンクをクリックしそうになりましたので、悪質なフィッシングメールとその見分け方を紹介しようと思います。 皆様もお気をつけください! Appleを語るフィッシングメール【Apple IDがロックされています】Apple IDに登録してるアドレスに、以下のメールが届きました。 後半切れてますが、こんな感じです。↓ Apple IDがロックされてる?? 差出人はservice@apple.com、受信した僕のアドレスは登録してるアドレスなので、最初、当に不正に使用されたと思って、危うくリンクをクリックしそうになりました。 でも、ちゃんと読んでみるとおかしいんですよね。 まず、Apple ID関連のメールの時は、必ず文中に僕の名とApple IDが記載されているはずですが、そ

    Appleを語る詐欺メール(フィッシングメール)にご注意!!【詐欺メールの見分け方】
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/02/28
    dendeさん、ほんとにそうですよね!!apple ID関連だったら絶対に名前入れてくるはず!! 今後もっと巧妙になってきそうなので気をつけたいと思います。
  • ブログ小説【デリートマン】㉑

    デリートマンの友人⑫病院に着くと、彩美は手術中だった。病院の人の話では、買い物中に腹痛を訴えて倒れ、そのまま救急車で病院に運ばれ、おなかの中の赤ちゃんは危険な状態ということだった。 「田坂、悪いな。付き合ってもらって」 「いや、ええよ。確認することはもう終わってたし、もうあそこに用事ないから」 いつもの、中元がよく知る田坂に戻っていた。言葉使いも戻っている。 しかし、さっきのバーで見た田坂はまるで別人だった。田坂は大好きな親友だが、あのときは気で怖いと思った。 「田坂…」 「うん?」 「もし、赤ちゃんがダメやったら、それは、オレの責任や。オレは、ほんまにアホや。オレは…彩美が、どんだけつらかったか…あいつは、何も悪くない」 涙が落ちる。泣いたって仕方ないのはわかっているが、自分がしてしまったことを悔やんでも悔やみきれない。 「中元、今は両方とも無事なことを祈って待とや」 「田坂、オレは人

    ブログ小説【デリートマン】㉑
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/02/26
    dendeさん、いつもありがとうございます!! 消すまでかなり時間かかりました(-。-; 答えは自分で決めてるのですが、まだまだかかりそうです笑
  • ブログ小説【デリートマン】⑳

    デリートマンの友人⑪「中元、これから言うことは全部オレの想像だ。証拠なんてない。ただ、オレはこれが真実だと思ってる。オレの考えを説明するよ。それからあんた、別にこの話に対して肯定も、否定もしなくていい。さっきも言ったが、おれはこれが真実だと思っている。あんたの意見なんざどうでもいい」 少し間をおいて、田坂が話始めた。麻里は田坂をにらみつけるが、田坂は意に介さない。中元はカウンターに座り、目の前にある泡盛に手をつけずに田坂の話を聞いていた。 「中元、この女との出会いやその後の関係については一通りお前から聞いてるが、一つだけお前の話で腑に落ちない点があった」 田坂は、私たちの関係を中元から聞いているのだろう。その中で出てきた疑問点ということらしい。 「お前は付き合っていく中で、『お互い魅かれあって気になっていった』と言っていたが、それは違う。いや、お前に関してはそうでも、この女は違うんだよ」

    ブログ小説【デリートマン】⑳
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/02/16
    dendeさん、いつもコメント下さりありがとうございます!!もう消します笑 やっとこのシリーズが終わりそうです^^;
  • ブログ小説【チョコレート×スパイス=ハツコイ?】

    「そやからな、バレタインなんか大嫌いやねん!」 「だから、嫌いになるには理由があるはずです。それを聞きたいと言っている」 「う〜ん、理由なぁ。なんか、バレンタインってだけで、儀式的にそない好きでもない人に渡したりするヤツおるやん。なんかそういうのが嫌い。そもそも、バレンタインなんか嫌いな男の方が多いんちゃうんか?知らんけど」 「出た!関西人の『知らんけど』。その無責任な発言なんとかなりませんか?言ったなら、その根拠を示すべきだ」 「あーもう!陶しいな!」 目の前の男に苛立ちを隠せずにいるこの男は吉竹歩霧よしたけあゆむ、大阪の中学校に通う、中学2年生だ。 「陶しがる理由がわからない。僕は当然のことを言っているだけだ。先ほどの説明では不十分です。嫌いな理由は?」 そう言ってメガネをクイっと持ちあげた歩霧と向かい合っている男が、同級生の橘理人たちばなりひと。 東京生まれの東京育ち。生粋の江戸

    ブログ小説【チョコレート×スパイス=ハツコイ?】
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/02/13
    dendeさんありがとうございます!!僕もこんな青春ではなかったですが笑 でも、dendeさんの高校時代のお話、めっちゃ好きですよ!!何か、胸が熱くなりました!!
  • ブログ小説【デリートマン】⑲

    デリートマンの友人⑩中元一平。 麻里が偽造メールを送らせた不倫相手だった。麻里との関係はまだ続いているが、もう旦那がいないので正確に言えば現在は不倫ではない。ずるずると関係を続けてはいたが、正直なところ、麻里はこの男を切りたかった。計画を話したわけではないが、計画の一端を背負わせている。もしかすると、何かに気づいているかもしれない。 すべてがうまくいった今でも、麻里は『あの計画』とつながるものは、できれば近くに置いておきたくなかった。人でも、物でもだ。 『あの計画』とは、行きずりの男と寝たときに思いついた、旦那の殺害計画だ。行きずりの男は、灰田といった。 その灰田の家で周波数発信機を見たとき、心臓を患っている旦那に心臓発作を起こさせることを思いついたのだ。その話をしたとき、灰田はこの装置を作った友人、阿久沢も仲間に入れようと提案した。阿久沢は切れ者ということだった。 そして、麻里たちは3人

    ブログ小説【デリートマン】⑲
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/02/06
    dendeさん、いつもコメントありがとうございます!ここまでひどくないですが、麻里のモデルにしている人はいます^^;
  • ブログ小説【デリートマン】⑱

    デリートマンの友人⑨「びっくりしたわ、久しぶりに大阪帰ってきたら、『しげきち』がオシャレなバーになってたから」 こっちのセリフだ。いきなり現れるな。 「田坂さん、東京でしたよね。もう帰ってこられたんですか?」 麻里は突然の田坂の登場に驚いてはいたが、冷静を装った。 「いや、一時的にやねん。先月に大阪帰って来て、来年の2月くらいにはまた東京戻るよ。残波、もらえるかな?」 「ただでさえバタバタする年末年始の時期に、移動って大変ですね。田坂さん、ロックですよね?」 「まあ、一人やしそんなこともないけどな。うん。ロックで頼むわ。それより、しげさん、ほんまに残念やった。オレ、聞いたとき東京おって帰ってこられへんかってんけど、麻里ちゃんも大変やったんやない?」 (きた。でも、大丈夫だ。冷静に) 「はい。突然のことだったんで。主人を失ったときは、どうしていいかわからなくて…でも、1年経って、だいぶ落ち着

    ブログ小説【デリートマン】⑱
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/02/06
    dendeさん、ありがとうございます!もうすぐ消します。自分で書いてるくせに、長かったです笑
  • ブログ小説【デリートマン】⑰

    デリートマンの友人⑧「雨の日は、暇だな」 店のカウンターから外の雨を見ながら、麻里はぽつりとつぶやいた。 平日でも夕方に店を開けてしばらくすると一人、二人とお客がきて、9時を回るころには賑わっているのだが、この日は雨ということもあって、7時を少し回った今でも、お客は一人もきていなかった。 しかし、麻里は雨が好きだった。いや、正確に言えば好きになっていた。計画を実行した、あの日から。 あの日、計画はうまくいき、すべてが思い通りになったが、まだ、心のどこかで不安を感じる自分がいた。 (ひょんなことから、ばれるのではないだろうか) そんな不安が、常にあった。しかし雨は不思議と、自分の残した痕跡、正確には、自分達の残した痕跡を、消してくれるような、そんな気がした。 (まさか、こんなにうまくいくとは思わなかった) 1年経った今でもそう思う。正直なところ、計画は穴だらけのように思えた。 (うまくいけば

    ブログ小説【デリートマン】⑰
    winders-sakamoto
    winders-sakamoto 2018/01/25
    dendeさんありがとうございます!! 自分で書いてて、僕も腹たってきました笑 もうすぐ消します!!^ ^