この特集では、マイクロソフトによるWaledacボットネットの停止事例を紹介してきた。これらの取り組みは、インターネットを安全なものとする上で欠かせないものだ。その一方で、通常のIT管理者が直面する問題は、不正アクセスや情報漏えいと言った身近な問題が多いだろう。 情報漏えいに関する問題は、単に情報システムのセキュリティを高め、全社のセキュリティポリシーを作れば防げるというものではない。ITリスクは多重化しており、相互に対立的なリスクを同時に考えていく必要がある。今回は、日本IBM経営品質・情報セキュリティ担当部長の徳田敏文氏と、東京電機大学の佐々木良一教授の講演内容から、現在のIT管理者が検討すべきセキュリティ対策とリスク管理を考察する。 P2Pファイル共有ソフトへの情報流出の事例から考察 P2Pネットワークは匿名性が高く、多くのデータがキャッシュと言う形で、P2P利用者のPC上に分散して