国連は10日、地球温暖化の影響視察のため、国連事務総長として初めて南極を9日訪れた潘基文氏の声明を発表、事務総長は「南極は破局寸前だ」と強調し、温暖化対策を急ぐよう国際社会に訴えた。 声明は「ラーセンB」と呼ばれる大規模な棚氷の消滅や、ペンギンの生息数減少など温暖化の悪影響を列挙。「氷は私たちが考えているよりもはるかに速く解けている。今すぐ行動しないと、そう遠くない将来に(南極から)氷がなくなってしまうかもしれない」と警告した。 温暖化対策をめぐっては来月、インドネシア・バリ島で国連気候変動枠組み条約の締約国会議が開かれる。視察は、日米中や欧州連合(EU)各国など温室効果ガスの主要排出国に対し、同会議でのポスト京都議定書の本格交渉入りと、2009年までの枠組み合意を促す狙いがある。(共同)