ネットに向いてないのにネットにしか居場所がない。 なんでネットに向いてないのにネットにしか居場所がないのかというと、リアルにはもっと向いてないしもっと居場所がないからだ。つらい。人間やめたい。 そう思ったあたしは8年前首を吊った。ぐえっ。あたしは死んだ。 誰にも発見されなかったあたしの首吊り死体は少しずつ腐乱していった。そしてあたし―かつてあたしだったあたし―の頭からキノコが生えてきた。それが今のあたし。 はじめは自殺に失敗して目を覚ましたのかと思ったけど、腐りかけた体とその腐敗臭の前に、少しずつ事態を認めないわけには行かなかった。 死体の手も動く、足も動く、ものも見える。でもなんだかそれは自分の目や手足ではなくて、ちょうど巨大ロボットの操縦席からロボットを操ってロボットを動かし、操縦席越しに世界を見ているような感じがする。 でもまあこうしてキーボードを打たせて文章を書くくらいのことはでき