漫画やテレビアニメで人気を博した「銀河鉄道999」に登場するメーテルや「宇宙戦艦ヤマト」のスターシアには、実はモデルとなった女性がいた! それも大阪になじみの…。彼女の名前は「楠本高子」。日本人女性初の産科医で「オランダおいね」として知られる楠本イネの娘だ。祖父は蘭学の父といわれるフォン・シーボルト。作者の漫画家、松本零士さん(73)は、自身の漫画家人生に大きな影響を与えた高子との不思議な“出会い”について語ってくれた。(松山支局 黒河仁朗) 松本さんは小学1年だった昭和19年から20年の終戦まで、愛媛県大洲市の母の実家に疎開していた。後に理想の女性としてメーテルやスターシアなど、切れ長の目で顎の細い女性を描き続けたが、なぜそういう女性を描くのか、自分でもはっきりとは分からなかったという。 その謎が解けたのは、15年ほど前のこと。同市に暮らす同級生から、明治維新前後に撮影されたとみられる1