国防軍創設や「公益及び公の秩序」の名による基本的人権の大幅制限、過半数で改憲発議できるようにする96条改定―。こうした内容を盛り込んだ自民党「憲法改正草案」(2012年4月発表)を主導したのは安倍晋三首相側近グループだった、という舞台裏が同党憲法改正推進本部メンバーら関係者の証言からわかりました。 自民党が昨年4月28日に決定した憲法改正草案をまとめたのは同党憲法改正推進本部(保利耕輔本部長)。原案作成には29人の衆参議員メンバーによる起草委員会(委員長=中谷元・元防衛庁長官)が当たりました。 起草委員会メンバーだった一人は「安倍さんはメンバーではなく出席していなかったが、安倍さんの意向をうけて発言する人はいた」と振り返ります。 05年にはなかった 憲法改正推進本部関係者は「05年に発表した自民党新憲法草案には国防軍などはなかった。ところが、安倍さんのグループが起草委員会メンバーに多数入っ