USBメモリの発明をはじめ、幅広い業種のイノベーションに携わってきた濱口秀司氏。誰も見聞きしたことがないイノベーティブなアイデアは不確実性が高いため議論を呼びやすい。そのため、イノベーションを実現するには、通常のマーケティング(エクスターナルマーケティング)の前にまずは、仲間や社内を説得すること(インターナルマーケティング)が不可欠だという。クリエイティブ層を悩ませる、マネジメント層とのコミュニケーションギャップを埋める「社内説得」に関して、濱口氏が豊富な経験から導き出した方法論を解説いただいた。前回の記事はこちら。 アイデアは構造に載せ「コンセプト」として伝える 図1:発想、説得(社内マーケティング)、認知(社外マーケティング) © Hideshi Hamaguchi ——組織内イノベーターが心得ておくべきコミュニケーションのポイントを教えてください。 組織内のマネジメント層とクリエイテ
“情報の欠如”こそが「イマジネーションの条件」 プロジェクト前半に答えが生まれやすい理由は2つあります。 1つ目は、プロジェクトの前半ではまだ手持ちの情報が少ないため、本質的なものの関連や構造を考える傾向にあることに関係しています。以前、フェデックスのブランド回復の仕事を依頼されたとき、最初、先方から与えられた情報をあえて無視して、ハブアンドスポークシステム、一夜配達、高価格といった一般的なユーザ情報だけでアイデアを考え始めてプロジェクトを成功させたことがあります。こういう状況のほうが、抽象的で取り扱いが難しい概念と戦わなければならないので、通常は適当にスキップしてしまうような思考に十分に時間をかけられるのです。
企業は、消費者の潜在ニーズを見ることはできない。しかし、消費者ニーズについての理解を深め、正しいプロセスで応えることで、商品開発の成功確率を高めることができる。 出典:梅澤伸嘉著『消費者心理のしくみ』 消費者ニーズを読むと、ロングセラー商品のアイデアが生まれます。 私は長期間にわたって、数多くのロングセラー商品を開発してきました。私が開発に携わった商品として、「サンスタートニックシャンプー」、「カビキラー」、「固めるテンプル」、「禁煙パイポ」などがあります。それらは偶然、ロングセラーになったわけではありません。きちんとしたプロセスを踏み、正しい努力をすれば、商品開発の成功率を高めることは可能なのです。 「未充足のニーズ」が重要 商品開発は、「洞察力」と「独創力」の融合です。 洞察力とは、行動分析やグループインタビュー、CAS分析(後述)を通して消費者ニーズを的確につかみ、読み解く力です。ま
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く