2018年8月5日の第20節終了時点で、J1首位を走るサンフレッチェ広島。W杯中断期間までの15試合で積み上げた勝ち点は実に37、2位FC東京との差を一時は勝ち点9にまでした。再開後はやや苦戦が続くが、安定した最終ラインをベースにJ1で最も堅固な守備は健在だ。 その姿は、昨年のJ1で残留争いを辛くも生き残ったチームとは思えない。この変貌ぶりは、城福浩新監督の手腕を抜きにして語れない。そこで「広島を蘇らせる、城福浩のインテンシティ」と題し、現在の広島を牽引する人物たちに話を聞いた。 第一回は、広島の生き字引であるライター・中野和也氏(紫熊倶楽部編集長)による、城福浩のルポルタージュの前編をお送りする。 文 中野和也 編集 澤山大輔 城福浩の人生を刻む時計は、2016年7月23日で止まっていた。 この日、彼はFC東京の監督として多摩川クラシコを闘った。場所は等々力陸上競技場。圧倒的な攻撃力を誇