Googleブック検索の提起した課題 −その功罪− 2009年9月30日 社団法人 情報処理学会 会長 白鳥 則郎 情報技術の目覚しい発展に伴い、情報の発信・流通が加速化し、世界中があたかも一つの村であるかのように、顕名匿名にかかわらずコミュニケーションが行われるようになった結果、国境を越え異なる制度間で解決しなければならない問題が山積している。 米Google, Inc.(以下「Google」という)がそのブック検索を通じて惹起した問題もその典型的なものといえる。 当学会では、人類の知的資産である絶版の書籍を多大な労力を投入してディジタル化し、将来にわたって閲覧可能とするとともに世界に広くアクセス機会を提供しようとするGoogleの果敢な試みに対して敬意を表したい。これまでにも多くの国や企業が試みて実現しきれなかった膨大な蔵書を誇るディジタル図書館が眼前に広がっていることは驚異的なことで