葉タマネギ、白菜、大根、小松菜――。千葉市中央区の商店街にある書店の一角に、朝採り野菜の直売所がオープンした。館山市に移住した元工務店経営、浜崎光雄(てる・お)さん(59)夫妻と、夫妻に誘われた近所の農家約25軒が、自家用に作った無農薬や減農薬栽培の野菜を「おすそ分け」しようという試みだ。 館山市佐野の畑。浜崎さんと妻紀子さん(59)が野菜の世話をしていた。葉タマネギを抜き取った紀子さんは「本当においしくて生でも食べられますよ」。隣に白菜が4列で並ぶ。「水分が足りなくて葉の巻きがいまひとつ。早く収穫しないと」と光雄さん。 2008年春、船橋から館山市神余(かな・まり)への移住は、紀子さんの大病がきっかけだった。家庭菜園で作った野菜が驚くほどおいしい。こだわり野菜の農業グループの会員を35年間続けたが、「甘さがまるで違う、朝採りですから。目からウロコが落ちました」。 1年後、健康を取り