日販が1月から始めた「総量規制」が出版社や書店に波紋を呼んでいる。1月から日販が委託分の仕入数を店頭の売上げ状況に合わせるために、目標値として5%の削減を実施したからだ。そのため、出版社の大半は書籍仕入部の窓口で突然、希望数が半減もしくはそれ以上削減されることが相次いだ。これまでも総量規制はあったが、それとは比べられない削減に出版社からは怒りの声すらあがった。また、大手を中心に一部書店からも「送品数が半減した」などの苦情も。こうした事態に対し、日販は突然と受け止められた点や書店や出版社の個々の事情に配慮が足りない点に非を認めた。ただし市況に合わせた送品体制は続けていく方針。 日販が1月から総量規制を行ったのは、昨年7月から12月までに委託品の取扱高が前年に比べ徐々に増加していったためだ。その間、POS調査店の月別売上高は最悪で前年同月比10%減、少なくとも同6%弱減と低迷。それと同様に書店
紀伊國屋書店は1月28日、愛媛・松山市湊町の伊予鉄高島屋と出店契約を結び、松山に再出店することを決めた。 伊予鉄高島屋7階に入居していた丸三書店がこのほど撤退したことで、3月上旬、その跡地に80坪程度の仮店舗として営業を開始する。その後、4月末を目途に同じ7階で売場を移動し、400坪レベルに拡大してグランドオープンする計画だ。 紀伊國屋書店は昨年7月に旧松山店を閉店したが、それを惜しむ地元の声が多く、およそ6000人の署名リストが同社に送られていた。旧松山店の跡地にはジュンク堂書店が入居したが、そのそばに再出店までの仮営業所を30坪で開店していた。 今回、出店契約を締結したことで、この仮設店舗は2月20日をめどに閉鎖するという。
日本電子出版協会(JEPA)は2月5日、国立国会図書館を中心とした電子書籍配信構想(いわゆる長尾構想)の対案を発表。JEPA案では国会図書館が所蔵する書籍類を〈出版者自らが販売したいもの〉と〈そうでないもの〉に区分。前者は出版者、後者は国会図書館のそれぞれが配信する。 国会図書館は著作権などの権利が存続している書籍について、事前に全権利者から配信許諾を得るための登録システムをサイト内に構築。国会図書館の配信サイトと出版者の配信サイトを相互にリンクさせ、日本の出版物へのアクセスルートを国内外に提供する。また、出版者の法的権利(版面複製・公衆送信権など)を著作権法上に確立するため、関係者間の協議を開始する――などとしている。
同書は4月16日の全国一斉発売となる。定価は1995円(税込み)。初版部数を50万部に設定したのは、BOOK1、同2の発売の際に売り切れる書店が続出したことを考慮してのもの。50万部という初版部数は、新潮社の単行本としては平成以降で最大の部数という。現在BOOK1は累計125万部、BOOK2は105万部を発行している。
書店の人員リストラが進むにつれ、版元の顔を知る仕入のエキスパートがいなくなり、出版社の情報が入手しにくくなっている。そして店舗の売上げが少しずつ落ち、採算が割れて撤退の道を辿る。 そんな最悪のシナリオが現実となっている時、専門取次は書店の棚のアドバイサーとして期待されていた。いや、それこそが専門取次の生き残る施策でもあった。 専門取次は専門的な本の知識があり、書店へのこまめな営業と流通が信条である。また、書店が直接買いに行ける拠点として、また、売れ筋本の情報入手の場として機能している。たとえ正味が総合取次より高くても、書店における存在価値は高い。それが書店流通の一端を担ってきたともいえる。 経費削減はもとより、増収を図る書店では、棚のアドバイサーとして専門取次を迎え入れる提案に前向きではある。が、それが例えばチェーン店である場合、まず1店舗から実験をスタートし、そのノウハウが分かれば全店展
2月1日、丸善と図書館流通センターの共同持株会社として「CHIグループ」が設立された。同日開いた設立記者会見では、(1)電子化への対応、(2)書籍販売の収益向上、(3)図書館業務受託ナンバーワン企業――の三つの重点課題に取組んでいくと今後の方針を説明した。 とくに(2)について、小城武彦社長兼最高経営責任者は「丸善店舗において、低返品率の書籍販売モデルに挑戦していく。そのためには店舗の外見も変わってくる。店の在庫をスリムにする。そうすると売上げが落ちるので、本の訴求の仕方を変える。そのためには、什器・店舗レイアウトも変わる。今年中には、そうした売り切る力をもった新しい書店を提示したい」と説明。 石井昭代表取締役会長は「書店には発注権はなく、取次が決めて送品している。客をみて店が何冊と判断できるモデルを志向している」と補足した。
筑摩書房はこのほど、責任販売企画第2弾として、『幕末 写真の時代』の第2版を、「買切り・時限再販本」に指定し、書店からの注文受付を開始した。 同書は1994年に発売された第1版に、重要文化財指定を受けた写真10点に解説を付し、新たに発見された写真も追加するなど内容をリニューアルしたもの。第1版(本体1万円)は初版3000部で発行し、累計6刷・1万5000部まで売れた。第2版はA4変型判・上製・312頁・本体1万2000円で、発売は3月15日を予定している。 取引条件は、書店マージン40%で、買切り扱いとし、今年8月末までを再販期間に設定した。時限再販を適用するのは、書店の買切りリスクを軽減するためのもの。書店の見込みが外れて売れ残った場合でも、値下げして商品を売り切れるようにと配慮した。また、初回注文に限って、支払いは3カ月延勘となる。 同社営業局では、すでに主要書店に案内チラシを送付し、
昨年12月30、31日の売上げは同4.4%減、1月1、2、3日の売上げは同2.0%減で推移した。国内63店舗のうち1日から営業したのは32店舗。新宿本店では初めて元日から営業した。 12月1日からポイントサービスを開始した札幌地区(5店舗)では12月20日以降、前年比は2桁増と好調。同地区の入会者は5万人を超えたという。
業界4団体で構成する出版流通改善協議会は12月9日、東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で「再販関連」会員説明会を開き、講談社、小学館、「35ブックス」による責任販売の事例報告を行った。責任販売における大手2社の最重要課題は「対象商品の選定」で、今後は買切り・時限再販・高マージンという手法の試行にも前向きに取り組む姿勢をみせた。さらに、責任販売の取組みは継続が大事として、説明に当たった3社は来年以降も試行を重ねていくことを報告した。 責任販売について、初めに講談社の岩崎光夫取締役が説明に当たった。創業100周年記念企画として「CDえほん まんが昔ばなし」の5巻セットを対象に6月から受注活動して、2万7000セット強の注文が集まったことを報告した。「1万5000~2万部かと思っていたが、最も多い書店で600セット、100セット以上が40法人以上あった」という。 10月16日の発売から約1カ月半の
2位『猫を抱いて象と泳ぐ』(小川洋子、文藝春秋)、3位『星守る犬』(村上たかし、双葉社)、4位『八朔の雪』(高田郁、角川春樹事務所』、4位『プリンセス・トヨトミ』(万城目学、文藝春秋)。「キノベス」は紀伊國屋書店のスタッフが読んで、お勧めしたい作品の中からベスト30を毎年発表するもの。今回は08年10月以降の新刊(文庫化作品除く)を対象に参加を募り、620件の応募の中から十数人の委員が最終選考で決定した。
書店のマージン改善と返品減少を目指した出版社8社の「35ブックス」の受注状況が、1点平均300部弱(26アイテム)となっていることがこのほど分かった。8社は受注数が伸び悩んでいたため、8月末までだった注文の締切りを9月末まで延期していた。 現在まで最も注文が取れたとみられるのは、河出書房新社の「南方熊楠コレクション」(全五巻セット)で約500部。当初予定していた1000~1500部の初版制作ラインを大幅に下回る結果となりそうだ。 ただ、8社は全点を復刊・重版する方針を固めており、引き続き受注活動を行っていく。 今回の取組みの仕掛け人である筑摩書房の菊池明郎社長は「読者や書店に対して、企画の切り口や商品力など、企画全体の詰めが甘かった。返品の歩安の率ももっと緩めた方がよかったのかもしれない」と注文が伸び悩んだ理由を分析。「しかし、まず一歩踏み出したことで、取次会社に流通面における新たなシステ
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