女性アスリートを巡る大統領令への署名前に演説するトランプ氏=2月5日、米・ホワイトハウス【EPA時事】 多くの人は生まれた時に「女」または「男」と判断され、その一文字が戸籍などに記録される。しかし、指定された性別に違和感を抱き、身体の特徴を変える治療を受けたり、社会的に性別を変えたりして暮らす人もいる。トランスジェンダーと呼ばれる人々がそれだ。医学的には「性同一性障害」と呼ばれてきたが、世界保健機関はこれを「性別不合」という名称に改め、精神障害ではなく性の健康に関わる状態の一つとしている。 「社会の敵」に仕立てられるマイノリティー トランスジェンダーへの認知は、日本でも少しずつ進んできた。九十年代から人権問題としての認識が広まり、医療体制も少しずつ整備されている。しかし今になって、逆風が吹いている。その源は米国と英国の政治的な右派勢力だ。 運動家や政治家はネットを使ってデマやゆがんだ情報を
