大胆な金融緩和などを主張する安倍総理の経済政策は、アベノミクスと呼ばれて、その是非をめぐってさまざまな書籍が発売された。その中でも『アベノミクスのゆくえ』(光文社新書)は、安倍政権の経済政策を過去・現在・そしてこれからの観点から、明晰かつ詳細に論じたものとして定評がある。参院選が自民党の圧勝で終わり、ねじれが解消された今、著者の片岡剛士氏にアベノミクスの実態と今後の展望についてお話をうかがった。 異次元緩和のインパクト ──アベノミクスについては、有識者やマスコミの中でも賛否両論ありますが、『アベノミクスのゆくえ』では、第一の矢である「大胆な金融緩和」こそが、第二の矢である「機動的な財政政策」、第三の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」を適切に作動させるための必要条件としています。本書の発売(2013年4月)と同時期に、日銀のいわゆる異次元緩和が行われましたが、その動きについてどう評価し