2014年後半は、消費税の再増税をめぐって激しい議論が巻き起こった。その議論の真っ只中に刊行された『日本経済はなぜ浮上しないのか』(幻冬舎)は、データを駆使して、実証的かつ多面的にアベノミクスを検証したうえで、消費税増税の延期を主張し、話題を呼んだ。増税時期の先送りが争点となった衆院選を経て、著者の片岡剛士氏は現在の経済情勢をどのように見ているのか、話をうかがった。 消費税の影響とアベノミクス再起動 ──『日本経済はなぜ浮上しないのか』は、消費税再増税をめぐる議論が加熱していた、2014年11月に刊行されています。いま、その時期を振り返ってみて、どう思われますか? 片岡氏:確かに2014年4月に消費税を8%にしてから、その影響や再増税の是非も含めた議論は、大変盛り上がっていました。私も、2015年10月に10%へ再引き上げをするか否かをめぐってメディアで発言する機会も増えたため、体力的にも