日本の税収弾性値に関して様々な議論がある。ある人は1を少し超える程度だと言い、ある人は3〜4に達する、と言う。前者の見方をする人は、後者の見方をする人に対し、長期と短期の弾性値の区別が付いていない(例:ここ、ここ)、もしくは平均概念と限界概念の区別が付いていない(例:ここ)、と批判し、後者の見方をする人は、前者の見方をする人に対し、データを無視している、と言う(例:ここ)。 ただ、単純に考えれば、景気回復局面で名目GDPの伸び以上に税収が伸びる、あるいは、景気後退局面で名目GDPの落ち込み以上に税収が落ち込むことはあるのではないか、と思われる。その場合、こちらで紹介されている図のように、長期と短期の弾性値が合成された形で名目GDPに税収が反応する形になるだろう。 その時に、短期と長期の弾性値をうまく分解する方法はあるだろうか? 一つ手掛かりとして考えられるのは、GDPギャップである。即ち、