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2015年9月26日のブックマーク (10件)

  • 上田岳弘『私の恋人』 - logical cypher scape2

    上田岳弘『太陽・惑星』 - logical cypher scape2に続き、上田作品。「惑星」が芥川賞候補で、こちらは三島賞受賞。なんとなく上田は芥川賞より三島賞っぽいよな、という気はするw 今回は転生もの シリアで暮らしていた天才クロマニョン人→ナチスドイツ時代のユダヤ人ハインリヒ・ケプラー→現代の日人井上由祐と転生してきた「私」が主人公 未来のことまで全て見通して誰にも読まれないところに全て書き付けていたという点で、「太陽」のドンゴ・ディオンムのようでもあり、またこれから起こることが全て分かっているという点で「惑星」の内上用蔵のようでもある。 まだネアンデルタール人が絶滅していなかった頃、シリアの洞窟で暮らしていたクロマニョン人である「私」は、その天才ゆえに人類のその後の歴史を全て見通していた。その未来予測というか妄想というかの中で、いずれ「私の恋人」になる女性についても思い描いて

    上田岳弘『私の恋人』 - logical cypher scape2
  • 上田岳弘『太陽・惑星』 - logical cypher scape2

    新潮新人賞を受賞したデビュー作「太陽」とつづく第二作「惑星」を収録した単行 どちらも初出は『新潮』で、後者は芥川賞候補作になっており、この次の作品『私の恋人』は三島賞を受賞している。 このような掲載誌や受賞歴を見る限りにおいては、この作品や作家はいわゆる純文学に属していると、一応言うことができる。 しかし、自分がこの作品のことを知ったのは、SFのブックレビューなどを通じてであった。 そして、実際に読んでみたら、思いのほかSFであった。 まあ、純文学とSFの混淆というのは珍しいものではないが。 「太陽」はシンギュラリティSFで、「惑星」は時間SF要素もある 太陽 太陽と錬金術の話を枕にしつつ*1、現代日を舞台にして物語は始まる。隔週で風俗店に通う大学教授、たまたま彼が客になった風俗嬢は実は芸能事務所にスカウトされていたのだが云々といった話から一転、舞台はアフリカへと飛ぶ。高IQのドンゴ・

    上田岳弘『太陽・惑星』 - logical cypher scape2
  • アレックス・タバロック「開かれた国境と福祉国家」

    [Alex Tabarrok, “Open Borders and the Welfare State,” Marginal Revolution, September 22, 2015.] ミルトン・フリードマンの有名な発言に,福祉国家と開かれた国境は両立しないというのがある.ぼくは賛成しない.多くの観点でみて(あらゆる観点ではないけど),開かれた国境と福祉国家は両立する. ぼくが考える福祉国家は,多彩なプログラムを包摂する.その多くは,ほどこしじゃない.たとえば社会保障制度の大半は,強制貯蓄だ.こうしたタイプの保険プログラムでは問題がない.個々人は,働いてプログラムにお金を払ってプログラムからお金をもらうからだ.学校制度でも,問題はない――移民の子供たちにも学校教育を無料で提供するとしても問題ない.なぜなら,学校教育を受ければ,のちのちの人生でより高い賃金につながり,そこから税金が支払

    アレックス・タバロック「開かれた国境と福祉国家」
  • アレックス・タバロック「日本が再生医療製品を自由化」

    [Alex Tabarrok, “Japan Liberalizes Regenerative Medicine,” Marginal Revolution, September 14, 2015.] 日が再生医療の承認プロセスを自由化しつつある: (…)日における再生医療は,中間段階すなわちフェイズIIでの試験結果にもとづいて条件および期限つきの販売承認を得られる.フェイズII では,ヒトによる臨床試験を行い,安全性と蓋然的な効能を実証する.Frost’s Kumar によれば、かつて承認までの時間でアメリカと欧州連合に後れをとっていたが,いまや承認までおよそ3年の道程となっている.かつては、これに7年から10年かかっていた. 世界中で、こうした治療を推進するなかで企業はさまざまな足止めにぶつかっている.アメリカでは、はじめて国から承認を受けてヒト胚性幹細胞の試験を開始した Gero

    アレックス・タバロック「日本が再生医療製品を自由化」
  • アレックス・タバロック「ゲイリー・ベッカー最大の失敗とは?――犯罪抑止をめぐる2つの考え方」

    [Alex Tabarrok ”What Was Gary Becker’s Biggest Mistake?” Marginal Revolution, September 16, 2015.] 計量経済学者の Henri Theil が,こう言ったことがある――「モデルは使うものであって信じるものではない.」 ぼくは合理的行為者モデルを使って限界変化について考えるけれど,ゲイリー・ベッカーはそのモデルを気で信じていた.昔,ベッカーと夕で同席していたとき,ぼくがこう言った.「極端な刑罰はひどい貧困と憎悪につながりかねませんよ.そこから逆効果が生じるかもしれません.」 ベッカーは,どちらの論点も受けいれなかった.ぼくが逆効果の例を挙げるたびに,だったらさらに刑罰が必要だとベッカーは返すばかりだった.だんだん議論が過熱していった.やがて,ジム・ブキャナンとライアン・カプランがテーブルの向

    アレックス・タバロック「ゲイリー・ベッカー最大の失敗とは?――犯罪抑止をめぐる2つの考え方」
  • マイルズ・キンボール「日本銀行はインフレ率を上昇させることに成功しているのか?」

    Miles Kimball, “Is the Bank of Japan Succeeding in Its Gaol of Raising Inflation?“, Confessions of a Supply-Side Liberal, (September 7, 2015) (訳者から) まずキンボール教授のマイナス金利の導入方法について説明されている清水誠さん翻訳のこちらのエントリ「紙の通貨と電子マネーの交換レート設定方法」を読むことをお勧めします。 2012年6月29日に「未来の人類の英雄であり、日の英雄」という記事を書いた。日銀行が始めたばかりの大規模な資産購入を支持する記事である。いまではゼロ金利下限を取り除いて大きなマイナス金利を課すことの方がはるかに良い方策であると思っていはいるものの、それでも大規模な量的緩和がとてもうまく功を奏したことを興味深く観察している。 日

    マイルズ・キンボール「日本銀行はインフレ率を上昇させることに成功しているのか?」
  • VW不正、世界に飛び火 各国調査、独で280万台販売:朝日新聞デジタル

    独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼルエンジン車の排ガス規制逃れについて、不正が発覚した欧米以外の国でも調査にのりだす動きが相次いでいる。VWは25日に新しい経営トップの人事を発表する見通しだが、当面は問題への対応に力を注がざるをえなくなりそうだ。 VWがディーゼル車に排ガス規制を逃れるソフトウェアを載せていた不正は米国に続いて欧州でも発覚。独メディアによると、ドブリント独運輸相は25日、ドイツ国内でVWが売った不正な車両が約280万台にのぼると明らかにした。 欧州委員会はすでに不正ソフトを積んだ車両数の調査を加盟各国に求めている。ロイター通信などによると、韓国、オーストラリア、インドもVW車などを調べる方針を示している。 VWによると、不正の可能性がある車は全世界で2008年以降に売られた約1100万台。日での販売はないという。 VWは米国で低シェアに苦しんでいた。米国

    VW不正、世界に飛び火 各国調査、独で280万台販売:朝日新聞デジタル
  • 上杉和央『地図から読む江戸時代』(ちくま新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    9月21 上杉和央『地図から読む江戸時代』(ちくま新書) 7点 カテゴリ:歴史・宗教7点 タイトルからすると、江戸時代の古地図をみながら、江戸の街やその他もろもろの秘密や特徴を読み解いていくに思えるかもしれません。実際、自分もタイトルを見た時はそのようなものだと思っていたのですが、その予想はいい意味で裏切られました。 このは、江戸時代につくられた日地図の変遷を追いながら、人々の「日像」や「地図観」がいかに変化していったかということを教えてくれるになります。 まず、江戸時代以前に普及していたのが「行基式日図」と呼ばれるものです。これは「山城」「武蔵」「陸奥」といった「くに」を魚の鱗のように並べて日地図をつくりあげるもので、奈良時代の僧・行基がつくったという伝承を受け継ぎつつ、長年使用されていたものです。 この地図では、日が六十数カ国の「くに」から構成されている土地だという事が

  • 栗原俊雄『特攻』(中公新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    9月18 栗原俊雄『特攻』(中公新書) 7点 カテゴリ:歴史・宗教7点 神風特攻隊に代表される「特攻」、それは日が戦った太平洋戦争戦争を象徴するものとして、あるときには「日軍の非合理主義の証」として、あるときは「若者を襲った悲劇」、あるときは「英雄的な行為」として語られてきました。 そんな「特攻」について、そのはじまりから神風特攻隊以外のさまざまな特攻隊の展開、そして生き残り隊員のその後まで、「特攻」というものを網羅的に語ろうとした。 著者は『シベリア抑留』(岩波新書)でシベリア抑留の証言を丁寧に集めていた毎日新聞の記者。今回もさまざまな史料や取材を通して「特攻」の全体像を明らかにしようとしています。 目次は以下のとおり。 序章 「特攻」とは何か―「組織的行動」前史 第1章 神風特別攻撃隊―フィリピン戦線からの始動 第2章 終わらない航空特攻―沖縄から土へ 第3章 戦艦、魚雷、機

  • 認識論的な量子力学についてのコメント

    認識論的な現代的コペンハーゲン解釈での量子力学について、意識の問題の観点からTWしたものをまとめました。少しでも量子力学の世間での誤解、悪用が減ることを期待します。

    認識論的な量子力学についてのコメント
    woykiakes
    woykiakes 2015/09/26
    カント的な割り切りですかね…