上田岳弘『太陽・惑星』 - logical cypher scape2に続き、上田作品。「惑星」が芥川賞候補で、こちらは三島賞受賞。なんとなく上田は芥川賞より三島賞っぽいよな、という気はするw 今回は転生もの シリアで暮らしていた天才クロマニョン人→ナチスドイツ時代のユダヤ人ハインリヒ・ケプラー→現代の日本人井上由祐と転生してきた「私」が主人公 未来のことまで全て見通して誰にも読まれないところに全て書き付けていたという点で、「太陽」のドンゴ・ディオンムのようでもあり、またこれから起こることが全て分かっているという点で「惑星」の内上用蔵のようでもある。 まだネアンデルタール人が絶滅していなかった頃、シリアの洞窟で暮らしていたクロマニョン人である「私」は、その天才ゆえに人類のその後の歴史を全て見通していた。その未来予測というか妄想というかの中で、いずれ「私の恋人」になる女性についても思い描いて