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ブックマーク / martbm.hatenablog.com (8)

  • 國分功一郎『ドゥルーズの哲学原理』 - martingale & Brownian motion

    もしも「主体」なるものが「ある」というふうに「言った」とき、果して、そこで、何が起きていると言えるであろうか? 子供は、産まれた時点では、「何者でもない」。ジョン・ロックはそれを、タブラ・ラサ(白紙)と言ったわけだが、ということは、私たちは、大人になるという過程を経ることで、「何者かになった」ということになるであろう。これが、 主体 である。主体は、「何者か」を現わす。つまり、私たちが、ある人を「主体」と呼んだ時点で、その発話「自体」が、相手を、なんらかの「主体」として、 既に 扱ってしまっていることを含意しているわけである。 私たちは、人を「何者か」として扱わずにすますことができない。その人が「何者であるか」を「既に了解している」から、私たちは、その人を「主体」として扱うことができているのであるから。だとするなら、問題は、 すでに「どこか」の時点で相手を「主体」として扱ってしまっている

    國分功一郎『ドゥルーズの哲学原理』 - martingale & Brownian motion
  • ジョセフ・ヒース『ルールに従う』 - martingale & Brownian motion

    そもそも、哲学に善悪はない、という命題は正しいのだろうか? こんなふうに言うとナイーブに聞こえるかもしれない。それは、物理学に善悪はあるのか、この宇宙に善悪はあるのか、物質に善悪があるのか、といったように、このセカイの カラクリ が「善悪」という 人間の視点 でできているのか、と問うているように聞こえるからであろう。 私は別に、ここで、世界には「善悪」はあるんだと、反論したいわけではない(そんなことはどうでもいいので、品性下劣な奴と、死んでも関わらずに済みたいものだ orz)。そうではなく、そもそもの最初の命題である「哲学に善悪はない」を疑うことは可能なのか、もし、可能であるとするなら、どのような形においてなのか、を考えてみたいわけである。 このことは、人間を「動物の比喩」として語ることへの違和感と、ほとんど同値のことに、私には思えてしょうがない。 人間の子供の幼年期は、われわれにもっとも

    ジョセフ・ヒース『ルールに従う』 - martingale & Brownian motion
    woykiakes
    woykiakes 2013/06/20
    社会的動物としてのコミットメント能力と同時にフリーライダーや裏切り者を罰するために「しっぺ返し戦略」が進化してきたんでしょ。難しく考え過ぎ。
  • 加藤尚武「ヘーゲル体系論の四つのモチーフ」 - martingale & Brownian motion

    よく、私たちは「自明」という言葉を使う。そんなの当たり前じゃないか、と。そして、その「自明」な言明が通じない相手を、論難する、というわけだ。しかし、そういった対立が起きている場合には、往々にして、お互いの主張は、その「前提」を違えているものだ。 このことは、ユークリッド幾何学に対して「非ユークリッド幾何学」なるものの存在が知られだしてから、だれもが知っていることだと思っていたのだが、どうも、今だに「プレ・モダン」の世界を生きている人が多いということだろうか。 私たちは、「平行」な線は、どこまで行っても交わらないと思っている。ところが、「非ユークリッド幾何学」の世界では、 フツー に交わる。これは、球面上の二次元「平面」を考えれば、北極や南極まで行けば交わることぐらい「だれ」でも分かるであろう。 同じことが、前回とりあげた「三角形」についても言える。三角形とは、内角の和が二直角だと思っている

    加藤尚武「ヘーゲル体系論の四つのモチーフ」 - martingale & Brownian motion
  • 「一般意志2.0」はユートピアか? - martingale & Brownian motion

    ここのところ、何回かこだわって書いてきたのだが、結局のところ、東さんという人の「一般意志2.0」というが、なにが言いたいのか、または、どういった文脈でつぶやかれているのかが、今一歩分からなかった、というのが印象であった。 著者の論点のポイントがどこにフォーカスされているのかが分からないので、だったら、読者側が、なんとか(著者がどう読まれ「たい」かなどどうでもいいんで)読者側の視点で整理していくしかないんじゃないか。 こののポイントは、二つの側面から両面攻撃のように、議論されているわけだが、その二つの視点が、一般的なアカデミズムの思想とどのように、著者が対決しているのか、という所がポイントなのではないだろうか。 著者の今まで考えてきた持論(一種のフラットな人間観と、そこから導かれる、一種のエリート主義)。 それが「未来」の人類社会で「評価」されるという期待。 著者には、なにか昔から思って

  • 東浩紀『一般意志2.0』 - martingale & Brownian motion

    今回読んでみて、特に、後半が非常によかったですね。この「そっけなさ」が。なんというか、この単行化の直前のギリギリで、即興で、今、その場で思いついたことを、たんたんと書いたという感じで、むしろ、こういう「今」思ったことを「書く」というスタイルが、共感する。 (近年、311やTPPを受けて、あらためて、こういった(日や世界の)社会全体を見直して、総括し、次の世代への見通しを展望するような考察が増えてきたような印象を受ける。) まず、最初に示されている、ルソー解釈であるが、基的には、書かれている内容にそれほど違和感はない。それどころか、フランス語の原典に戻って考察されていて、蒙を啓かれた。 私も翻訳でではあるが、「社会契約論」を読んだ印象は、ルソーの議論のポイントは、その「直接民主制」にあると思った点で著者に共感する。 ルソーはじつは、ジュネーブのような小さな都市国家での直接民主主義を理想

  • ジョン・グレイ『自由主義論』 - martingale & Brownian motion

    あれほど、ジャスミン革命について話していた論者が、アメリカのウォール街デモに言及、取材しないのは、なんなのだろう。きっとこれは彼らの考える、 ソーシャルネット の「悪い」使い方だからなのだろう。もちろん、こういった動きは日にも波及するだろう。そういった彼らの「道徳」は彼らの口癖をまねて言わせてもらうなら、 こういった歴史の動きに反対してもしょうがない であろう(これが歴史決定論者の常に繰り返される末路だ)。基的に現在、「成功」している人たちにとって、どんなことであれ彼らの生活基盤が揺がされるような事態は、「保守」の一言によって否定される。これは、全共闘以降の日の言説が、経済成長の前に、総「保守」化してきた延長で今だに考えていることを意味しているにすぎないと言えるだろうか。 保守派とは、一つの哲学的な姿勢について言うことができるだろう。それを、掲題のに代表させることもできると思ってい

    ジョン・グレイ『自由主義論』 - martingale & Brownian motion
  • 水野和夫『超マクロ展望 世界経済の真実』 - martingale & Brownian motion

    萱野稔人さんとの対談。 よく経済を、マクロとミクロに分ける。しかしそれはなぜだろう。同じ経済の問題をなぜこのように分けるのか。それは、多くの場合、「実証」研究の都合の関係から、こういった分け方がされているように思われる。 たとえば、物理学を考えると分かりやすい。ニュートン力学は、「質点」の力学である。実際は「存在しない」数学的な点に仮想的に「質量」があると仮定するわけである。すると、理論がすっきりする。それぞれの質点が相互に、 重力 をもち、ひっぱり合うことによって、力の均衡が生まれる。この質点というアイデアから少し広がりをもたせた「剛体」の考えまではすぐだろう。なぜ、人間は、地上に縛りつけられているのか。地球が人間をひっぱっているからであり、なぜ、月が、あれだけの速度で移動していながら、地球を離れていかないか、も、地球がひっぱっているからであり、地球だってそうだ。地球が太陽の回りを回って

    水野和夫『超マクロ展望 世界経済の真実』 - martingale & Brownian motion
    woykiakes
    woykiakes 2010/11/24
    あとで考える。とりあえず経済タグは付けたくないw
  • 三中信宏『進化思考の世界』 - martingale & Brownian motion

    進化論が、日に紹介された時期と、明治維新は、ちょうど重なる。明治の文明開化の時期に、一緒に、日に紹介される形になっている。 この事実は、何を意味しているのであろうか。明治の文明開化の時期に、日に その他のさまざまな、文明の利器と一緒に、進化論も紹介された、ということである。 つまり、進化論が、文明(科学)の象徴となった、ということである。 科学 = 進化論 科学的であるということは、「進化論」的思考プロセスを辿ること、と同値とみなされた。このことは、近代化のプロセスが、急激だったこともあり、著しく、日の学問が、 紹介した人 によるバイアスがかかってしまったことを意味する。明治から、昭和初期までに、当時の学者が果してきた役割は、ほとんど、 真理 と同値のものと見なされた。実際に、多くの欧米の知見が、日の近代化、つまり、テクノロジーの生活レベルへの浸透を実現したわけで、その、 カリス

    三中信宏『進化思考の世界』 - martingale & Brownian motion
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