本書は少々お高い(3,000円+税)ですが、リーマンショック以降の各中央銀行(FRB、日銀、ECB、BOE)の政策を概観し(第1章)、伝統的金融政策、非伝統的金融政策および為替政策の解説(第2章)、金融政策と財政政策の関わり(第3章)、中央銀行のコミュニケーションについて(第4章)、そして最後に「何をすべきか?」(第5章)で今後日本が取るべき経済政策を述べます。 『金融政策入門』でも書きましたが、本書も非常に分かりやすくまとまっている本だと思います。 特に第2章が素晴らしい!ここでは伝統的金融政策の説明から入り、それをIS−LM分析の枠組みを使って解説。そして「期待」を組み入れたニューケインジアンの金融政策をIS-MP分析の枠組みを使って解説しています。ここは非常にコンパクトにまとまっており、湯本先生の腕のよさを実感できる箇所だと思います。 そして「第2節 ゼロ金利下の金融政策――理論的裏