脳発達の「臨界期」が終了した後でも変化する神経細胞群を発見 -脳には、「臨界期」の常識を覆し、成熟期に達しても可塑性を示す細胞がある- ポイント 大脳視覚野の抑制性神経細胞が、生後の脳発達の「臨界期」終了後も可塑性を保持 抑制性神経細胞は、片目遮断実験後の光刺激に対し、強い両眼反応性を発揮 興奮性神経細胞は、従来の報告どおり「臨界期」終了後には可塑性がほぼ消失 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、マウス大脳皮質視覚野の抑制性神経細胞※1が、生後の脳発達期にある「臨界期※2」を通り越してしまい、光反応性変化が起きないと思われていた成熟期に到達しても、片目遮蔽実験で変化を起こすことを発見しました。また、抑制性細胞は、両目に与えた光刺激に対し、ともに良く反応するという両眼反応性を強く示しますが、興奮性神経細胞※1は片目反応性の方が顕著で、従来報告されていたとおり「臨界期」終了後は