◆政府は、本年末までにNISAの抜本的拡充を含む「資産所得倍増プラン」を策定し、貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進める方針である。もっとも、政府が活用するとしている約2,000兆円とされる家計金融資産の中には、年金資産や個人事業主の事業性資金も含まれており、かつ、富裕層や高齢者に偏在している面もあり、「現役期の中間層」には投資に回せる十分な金融資産がないとの指摘もある。 ◆そこで、本レポートでは、まず、年金資産や個人事業主の事業性資金を除いた「純然たる家計金融資産」のうち、現役期の中間層の保有額を推計した。推計では、純然たる家計金融資産は2019年末現在で1,330兆円であり、そのうち、現役期の中間層が保有するのは約4分の1で、総額340兆円、1世帯あたりでは1,150万円であった。 ◆その上で、現役期の中間層につき、世帯主年齢および世帯年収により39ケースに細分し、各ケースの資産お