発表場所 : 放射線と産業, 114 号, pp. 51-54 著者名 : 久米民和 著者所属機関名 : 日本原子力研究開発機構 高崎量子応用研究所 (〒370-1292 群馬県高崎市綿貫町1233) 発行年月日 : 2007 年 1.はじめに 2.食品照射の有用性 3.食品照射の健全性 4.検知法 5.世界における食品照射の状況 6.我が国における照射食品の取り組み 参考文献 1.はじめに 食品照射は、放射線の生物学的作用を利用して食品の衛生化、食料の損耗防止を目的とする処理技術である。1895年のレントゲンによるX線の発見直後から既に放射線の生物効果の応用が試みられていたが、食品照射の実用的な検討は1950年代に入ってからのことである。 日本では、1960年代に本格的な研究が開始され、1967年からは国の特定総合研究として約20年間実施された。1972年に馬鈴薯の