福島県立福島高校(福島市)の生徒3人が、スイス・ジュネーブ郊外の欧州合同原子核研究機関(CERN)で3月末に開かれた高校生向けの研究発表会で、福島第一原発事故の影響に関する調査結果を発表した。 チェルノブイリ原発事故の被害が大きかったウクライナ、ベラルーシを含む5か国の高校生約200人とも交流。生徒たちは「福島の現状を正しく伝えることができた」と成果を喜んでいる。 発表したのは、3年の及川孔君(17)、2年の高見哲理君(16)、安斎彩音さん(16)。CERNに研究室を構える東京大の早野龍五教授(62)(原子核物理学)が昨年、同校で物理学の特別講義を受け持った縁から、参加を提案した。費用は東大の基金から捻出した。 早野教授は「CERNが高校生の発表会場になるのは異例で、貴重な体験。福島の復興に向け、科学者を志す若い人に前向きな夢を持ってほしかった」と狙いを語る。研究者志望の高見君は、CERN