思えば、2020年という年の始まりは俺にとって最高だった。応援し続けてきた地元のフットボールチームがタイトルの獲得、つまり優勝という栄誉に輝いたことだった。長年、苦しみ続けてきたチームが初めて獲得したタイトル。これでこの一年間やっていけるぜ、などとその時は思っていた。だけど、俺は知らなかったんだ。BESTなのはその一瞬だけ。少し時が経てばただ終わったことでしかないってことだ。現在という一瞬を常にBESTで更新していかないと満足しきれないんだよな、ということを痛感した。 何かと気が滅入ることが多くて、珍しく気持ちがダウナーな感じに沈むことが多かった。そういう時、様々なものに救われたりするんだが、やはり音楽だった。俺の現在の生活において、音楽というのは大きなウェイトを占めることはなくなった。ただ、それでも、ふとした時に耳に入ってくる音楽が俺を生かしてくれたりするんだよな。 しょっちゅう「死」に