この記事は Haskell Advent Calendar 2023 14 日目の記事です[1]。 更新履歴 2023-12-15 並列化のパフォーマンスに関する追記。 2023-12-14 初版公開。 はじめに 先々月、Linear Haskell のまとまりのない記事を書いたところ、思ったよりも反響を頂いてびっくりしました。 ただかなりまとまりのない長文だった結果、「長い」「結局 Rust になれるのかようわからん」といった御叱りを頂きました。本当にすいません……。 冒頭に「RustのようになるにはLinear Constraintsに期待」とか、末尾に「2023年のHaskellはまだ Rust ではないが、近い将来 Rust になれる可能性が大きい」とか書きはしましたが、全体があまりにも長いのでこの結論を見つけ出すのも大変ですし、話題があんまり散漫に過ぎまたので論拠もすごくわかりづ
追記:いくらなんでもあまりにも長いので、配列演算に焦点を絞ってより「Rustっぽさ」の気持ちを強調した姉妹編を書きました。手っ取り早く雰囲気を掴みたい方はこちらもどうぞ。 TL;DR GHC 9.0 から Haskell に入った線型型(Linear Types)の機能を一部割とガッツリ使ってみたので、Linear Haskell の現在の使い心地と将来の展望を報告するよ。 使おうと思えば使える段階にあるけれど、一部バグもあるし、まだ言語機能面で実装が追い付いていない部分もあって、快適に書けるようになるにはもうちょっと掛かるよ。それでも実用しようと思えばできるレベルにあるよ。 RustのようになるにはLinear Constraintsに期待。 更新履歴 2023/12/15 11:45 姉妹編へのリンク追加。 2023/10/01 12:30 線型性を納得してくれない場合の \eta-展
Introducing Austral: A Systems Language with Linear Types and Capabilities Austral is a new systems programming language. You can think of it as Rust: The Good Parts or a modernized, stripped-down Ada. It features a strong static type system, linear types, capability-based security, and strong modularity. This article is an introduction to the language. The first few sections are high-level: they
Austral is a new language. Features: Linear types: linear types allow resources to be handled in a provably-safe manner. Memory can be managed safely and without runtime overhead, avoiding double free(), use-after-free errors, and double fetch errors. Other resources like file or database handles can also be handled safely. Capabilities: linear capabilities enable fine-grained permissioned access
最近リリースされた GHC 9.0.1 で使えるようになった LinearTypes 言語拡張について気になったので調べた。 LinearTypes言語拡張とは GHC9.0.1から使えるようになった言語拡張で、Linear Typeを導入できる。ただ、上記リリースノートに “a first cut” とある通り、まだ実験的な機能としてリリースされた段階のようだ。 通常のGHCの言語拡張のように とすることで使えるようになる Linear Typeとは そもそもLinear Typeとはどのような概念なのか、簡単に説明すると、「関数の引数がちょうど1度だけ評価される」、という条件を指定できるもののようだ。 理論的な基礎となるLinear type systemsについては前から広く知られていたものの、なかなか実装までは至らず、今回Haskellで晴れて実装までこぎつけたとのことだった。 具
By Artyom Kazak aka @availablegreen December 25, 2020 🧱 This post is written in Brick — a platform for writing pretty public notes, which I co-founded. If you try it out, I'd love to hear feedback on Twitter or at artyom@brick.do. IntroLinear types are coming to GHC. For a brief moment in time, everyone will feel like they are Haskell beginners again. This is a rare opportunity. After reading thi
GHC 9.0.1 alpha 1 がリリースされたときに線形型をいじってみていたことをメモしていなかったので思い出しながらメモしていく。 mail.haskell.org 使用バージョン GHC 9.0.0.20200925 上記リンクのもの ghcup ならそれ経由でインストールできる。 ghcups の場合は手動インストール後、下記のような設定ファイルで切り替えができるようになる1。 ghc: 9.0.1-alpha1: H:\programs\ghc-9.0.0.20200925-x86_64-unknown-mingw32\bin 線形型とは GHC では引数が1回しか使えない(1回は使わないといけない)関数型として線形型が実装されている。 一般の関数: 線形型の関数: 線形型の GHC プロポーザルはこちら。 github.com は Haskell 文法としては a %1 -
My goal today is to convince you that destination-passing style is neat, actually. And that linear types make destination-passing purely functional. But first, I must answer a question. What is destination-passing style? If you’ve ever programmed in C, C++, or Fortran, you are sure to have encountered the style of programming which sometimes goes by the name destination-passing style. It is the pr
GHCに線形型を導入すると以下のような良い事があるらしい。 リソース安全性: ファイルハンドル、ソケット、DBコネクションのようなリソースについて、これらを提供するAPIの設計者が安全な使用を強制できる。リソース解放後のアクセス、二重解放、解放忘れを防止することができる。 レイテンシ: リソースAPIの実装をうまくやるとoff-heap(GCの対象外)でリソースを確保・解放できる。GC対象が少なくなることによりGCによってプログラムが停止する時間を減らせる。 並列性: 過剰な直列化を強要しない。リソース安全性を保ちつつもできる限り並列化できる。 詳しくはproposal。 この記事では線形型GHCのプロトタイプ実装および線形型ファイル操作ライブラリのプロトタイプ実装を試してみる。 ここで紹介するものが正式リリースで変更されている可能性は大いにある。 なおcabalのnew APIを使うのが
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