−経緯− 昭和63年2月6日午前11時40分前、大阪府堺市泉北槙塚台にあるスーパ「カネヒロ」でお客が落としたと思われる現金15万円入りの大和銀行の封筒を別の客が発見した。客は直ちに店員に事情を説明して封筒を手渡した。そこへ、スーパを経営している具足清治さん(当時39歳)の妻で同店の経理を担当しているみち子さん(当時36歳)が家事を終えて店内に入ってきた。 スーパは昼前で混んでいたこともあり、清治さんが「交番に届けてきてくれ」とみち子さんに言った。みち子さんは、10月に出産予定で妊娠中の身でありながら快く引き受けて、歩いて1分とかからない槙塚台派出所に歩いていった。普段は留守がちな派出所であったが、たまたま警察官が1人いたので、みち子さんは「15万円落ちていました」と届け出た。 すると、警察官は「あ、それやったら届が出ているわ。大和銀行の袋やね」と即答し薄茶色の紙に鉛筆でみち子さんの名